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次元調査

第1窓、二度目の光の行列に謎の音 「分からないことが、また一つ増えた」

2026年(透暦52年)10月11日 (科学部・次元調査・戸田輪) English

©東亰新報

第1定常窓「灯しの街」で11日未明、既報(7日)の「光の行列」が4日ぶりに再び観測された。今回は窓室の記録装置に、行列の動きに合わせて強弱を繰り返す低い音のようなものが初めて記録として残った。TDA次元調査課は「音と呼べるかどうかの判断も含め、分析はこれから」と述べ、現象の正体には踏み込まない。

■ 4日ぶりの行列

第1定常窓「灯しの街」で11日午前2時40分から3時52分までの72分間の開口中、既報(7日)の「光の行列」が再び観測された。7日の観測後、8日・9日・10日の3回の開口ではいずれも再確認されず、次元調査課は「あの夜が特別だったのか、単に見ている時間帯が合わなかったのか、今のところ判断できない」としていたが、4日の間を置いて行列は戻ってきた。

当直だった窓番は日誌に「今回は前回より短く、灯りの数も半分ほど」と記した。次元調査課によると、行列が観測されたのは開口から約40分後、石造りの都市の坂道を灯りが列をなして下る様子で、7日の観測では300を超えた時点で数えるのを断念したのに対し、今回は目視できた範囲でおよそ140ほどだったという。行列の起点・終点、何のための行事なのかは依然分かっていない。

■ 初めて記録に残った「音」

今回の観測で新たに分かったのは、窓室に設置された記録装置に、行列の動きとほぼ同じ間隔で強弱を繰り返す低い音のようなものが、録音として初めて残ったことだ。次元調査課は「窓の近くでかすかな音が聞こえるという報告自体は、これまでも時折あった。ただ、それが記録として残り、行列の動きと同期しているように見えるのは今回が初めてだ」と説明する。

担当技官の柚木透(31)は「風の音、機材の振動、こちら側のノイズである可能性も含めて、ゼロから検証する」と述べた。柚木は既報の第5窓「札を掲げる市場の人々」の分析も担当しており、「今回の音がどれくらい低い周波数で、どれくらい規則的かは、波形を細かく見ていかないと何も言えない。『音と呼べるかどうか』の判断からすでに難しい」と話す。分析結果が出るまでには、早くても数週間を要する見通しだという。

■ 「向こうがこちらを認識している証拠はない」に変更なし

次元調査課は、今回の観測を受けても第1窓についての従来見解——「向こうがこちらを認識している証拠はない」——を変えていない。既報の第5窓の見解修正(10月5日)はあくまで別枠であり、今回も同様に扱う方針だという。担当者は「光と、今回は音らしきものまで記録に残った。それでも、向こうが私たちに向けて何かをしているという証拠にはならない。分かったのは、観測の手段が一つ増えたということだけだ」と述べた。

■ 灯窓茶房、再び話題に

既報のとおり、羽田沖の観測やぐらに隣接する喫茶店「灯窓茶房」には、7日の行列以来、問い合わせが相次いでいた。店主の宮井は11日朝、本紙の取材に「また出たと聞いて、今朝は開店前から電話が鳴っていた」と話した。第1窓の一般見学は1日80人枠・月初め一括受付の抽選制で運用されており、11月分の応募数がどこまで伸びるかは来月にならないと分からない。小学校の社会科見学コースの運用も既報どおり変更しない方針が改めて確認された。

■ 検討会の議題、さらに増える

11月上旬に初会合を予定する外部有識者検討会(座長・梶浦悦子)の議題は、既報の5項目に加え、今回の「音」の件が6項目目として加わる見通しとなった。次元調査課は「一つずつ材料は増えているが、答えが近づいているわけではない。むしろ、分からないことが、また一つ増えたと思っている」と慎重な姿勢を崩さない。

■ 第5窓の分析手法を転用

今回の「音」の分析には、既報の第5窓「札を掲げる市場の人々」の判定で使われた手法の一部が転用される。次元調査課によると、第5窓では複数回の開口で同じ動きが繰り返されたことが「兆候」と認める材料になったが、第1窓の「音」は今回が初出であり、比較対象が無い。柚木は「第5窓は積み重ねがあったから慎重に一段上げられた。第1窓の音は、まだ土台を作る段階にすら入っていない。次に同じものが録れるかどうかが、何より大事になる」と説明した。次に行列が観測される機会がいつ来るかは、7日から11日まで4日空いたことを踏まえても予測できないという。

■ 窓番たちの間で交わされる言葉

窓番の勤務は交代制で、引き継ぎの際に日誌を読み合わせる習慣がある。既報の第5窓窓番日誌(連載)にも書かれているとおり、窓番たちは観測で得た材料に先走って意味を見出さないよう、互いに注意を促し合う文化があるという。11日の当直明けの窓番の一人は匿名を条件に「行列が戻ってきたと分かった瞬間は正直、声が出た。ただ、声が出たことと、それが何を意味するかは別の話だと、すぐに自分に言い聞かせた」と話した。もう一人の窓番は「音まで記録に残ったと聞いて、次の当番は耳の使い方が変わるだろう」と笑いながらも、「変わった分だけ、聞き違いも増える。慎重にやるしかない」と付け加えた。

■ 「灯しの街」という名前の由来

第1窓の仮称「灯しの街」は、2024年3月の稼働開始直後、石造りの都市の夜景が美しいことから次元調査課が付けたものだ。以来、この窓は5窓のうち最も見学希望者が多く、明るい話題の窓として扱われてきた。今回のように「行列」や「音」といった新しい観測が重なるのは稀で、担当者は「灯しの街という呼び方を付けた当初は、きれいな夜景という以上の意味は無かった。今になって、名前がだんだん本当のことを言い始めているような気もする」と話した。

■ 戸田輪記者の見方

取材を続ける戸田輪記者は「光だけだった窓に、今度は音らしきものが加わった。それだけで『向こうと繋がった』と言いたくなる気持ちは分かるが、次元調査課の人たちは、その気持ちに一番ブレーキをかけなければならない立場にいる」と話す。「分からないことが増えるたびに、世界が少しだけ広がっているように感じられるのが、この面を書いていて一番楽しいところだ」。同時に戸田は「4日空いて戻ってきたという事実だけは記録に残る。次にまた4日空くのか、もっと間隔が詰まるのか、そこから何か見えてくるものがあるかもしれない」と、観測を地道に積み重ねる姿勢を崩さなかった。

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