第2窓「鳴き交わし」再び観測 前回よりテンポ速く
TDA次元調査課は28日、第2定常窓「機構の海」(第19系統)で27日深夜から28日未明にかけての開口中、既報(9/23)の「鳴き交わし」を再び観測したと発表した。二つの塔状構造物が交互に発する金属音の間隔は、前回よりやや速いテンポで記録された。「意思疎通」との断定は今回も避けられ、周期の変化が何を意味するかは未解明のまま検討課題に加わった。
■ 6日ぶりの開口、初動から音
第2窓「機構の海」は27日午後11時52分に開口し、28日午前0時31分までの39分間続いた。既報の23日以来、5日ぶりの開口となる。窓番の日誌によると、開口から約4分後には既に金属音が交互に響き始めており、既報の「鳴き交わし」がすでに確立した現象として再現されたことになる。窓室に詰めていた窓番は「前回は途中から気づいた感じだったが、今回は最初から鳴っていた。待っていたみたいだった」と話した——ただし「待っていた」はあくまで窓番の主観的な感想であり、公式発表にこの表現は使われない。
■ テンポは前回より速く
次元調査課が録音を解析した結果、金属音の間隔(一方が鳴ってからもう一方が応じるまでの時間)は、23日の初観測時より平均で約2割短くなっていた。塔の高さ・形状には変化が見られず、音の高さ(周波数帯)もほぼ同一と分析されている。次元調査課は「間隔が短くなった理由は分かっていない。単なる個体差、あるいは環境要因の可能性もあり、1回の変化で傾向とは判断できない」とコメントした。
■ 「意思疎通」の判断は依然保留
23日の観測時と同様、次元調査課は今回も「意思疎通」との断定を避けている。五原則5(未解明の維持)に基づき、地の文では「金属音が交互に発せられる現象」という観測報告の域を出ない表現が用いられる。第7次国際共同研究の共同議長筋は非公式に「テンポの変化はデータとして興味深い」と述べたとされるが、次元調査課としての公式な分析コメントには含まれていない。
■ 窓漂着物の回収はなし
今回の開口でも窓漂着物の回収はなかった。次元調査課によると、第2窓からの漂着物は制度開始以来まだ1件も確認されておらず、「機構の海」は5窓の中で唯一、窓漂着物のない系統として記録が続いている。
■ 外部有識者検討会の議題に追加
既報のとおり11月上旬に初会合を予定する外部有識者検討会には、第2窓の塔の分裂(既報)と鳴き交わしの初観測(9/23)が既に議題として挙がっている。今回のテンポ変化についても、次元調査課は追加の議題候補として検討会事務局に報告する方針を示した。「意味づけを急がない」という基本姿勢は今回も変わらない。
■ 窓番の記録、湯呑みの数だけ増える
第2窓の窓室には、既報の第1窓・灯窓茶房のような一般向けの華やかさはない。窓番は交代制で夜通し詰めるだけの、地味な持ち場とされてきた。だが「鳴き交わし」が既報のとおり話題になって以来、窓番志望者の応募がわずかに増えているという。ある窓番は「前は『何も出ない窓』と呼ばれて敬遠されがちだったけど、最近は『音の窓に行きたい』という後輩が出てきた」と苦笑気味に話した。窓室に並ぶ湯呑みの数も、この1カ月でひとつ増えたという。
■ 第7次国際共同研究への影響は限定的
既報のとおり、第2窓のデータは第7次国際共同研究(共同議長・日ノ國とヒンド連邦)の共有対象に含まれている。もっとも、次元調査課は「テンポの変化1回をもって国際的な分析枠組みを動かす段階にはない」とし、当面は国内での録音解析を継続する方針を示した。窓漂着物が一件もないことも含め、「機構の海」は5窓の中でもっともデータの蓄積が薄い系統の一つであり、次元調査課は「慎重にならざるを得ない理由の一つがそこにある」と説明している。
