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設計規制法の改正論争、市民懇談会で意見対立 「格差」と「自由」のはざまで

2026年(透暦52年)10月15日 (社会部・汐入梨花) English

©東亰新報

デザインベビー世代への遺伝子設計規制法の改正をめぐり、市が14日夜、深川区民センターで開いた市民懇談会で意見が対立した。設計格差の是正を求める当事者団体と、現行の自由度を維持すべきだとする親の団体がそれぞれの立場を述べ、約2時間の懇談会は結論を持ち越した。

■ 1990年の第一世代、いまは36歳

デザインベビー第一世代は1990年の誕生から今年で36歳になり、既報のとおりその子である第二世代が社会に出始めている。市はこの日、1983年制定の設計規制法の改正論議に向けた意見聴取の一環として懇談会を開いた。参加者は約60人で、デザインベビー世代の当事者、その親、「ナチュラル」(非設計者)を自認する市民らが入り混じった。

■ 「格差を正す規制を」

当事者団体の代表を務める立木慧さん(34、デザインベビー世代)は「親の経済力によって、子の形質にどこまで手を加えられるかが変わる現状は、生まれる前から格差を固定している。規制を強化し、設計できる範囲そのものを狭めるべきだ」と訴えた。立木さんは懇談会で、自らの銀髪や薄い色素の瞳について「気に入っているが、これが親の経済力の結果だと知ったとき、複雑な気持ちになった」と語った。会場からは「規制の強化は、これから生まれる子の選択肢を狭めることにもなるのではないか」との質問も出たが、立木さんは「選択肢というより、持つ者と持たない者の差の話だ」と応じた。

■ 「自由度を奪われたら、既に設計した世代はどうなるのか」

一方、デザインベビー世代の子を持つ親の団体の代表は「規制を一方的に強化すれば、すでに設計を受けた世代やその家族が、まるで『やりすぎた』側として扱われることになりかねない。制度を変えるなら、遡っての評価ではなく、これから先の基準の話にしてほしい」と述べた。別の親は「うちの子は夜目が利くことを誇りに思っている。規制の話が、その子たちの個性そのものを否定するように聞こえるのは避けてほしい」と話した。

■ 市「結論を急がない」

市の担当者は懇談会の最後に「格差の是正を求める声と、既に設計を受けた世代への配慮を求める声は、どちらも軽視できない。結論を急がず、来年にかけて複数回の懇談会を重ねる」と述べ、この日の意見を記録として残す方針を示した。既報の合同成人式(来春試行)でも、デザインベビー世代の市民は対象に含まれており、担当者は「成人式の議論と設計規制の議論は別筋だが、この世代をどう遇するかという大きな問いは地続きだと感じている」と話した。

■ 当事者同士でも意見は一様でない

懇談会に参加した別のデザインベビー世代の女性(28)は「立木さんの言う格差の問題は分かるが、規制を強めることだけが答えだとは思わない。自分の見た目は自分で選んだわけではないけれど、気に入っている。規制の強化が、私たちの存在そのものへの評価に見えてしまうのは複雑だ」と話し、当事者の中でも意見が一様でないことをうかがわせた。次回の懇談会は11月に予定されている。

■ 「ナチュラル」の立場からも発言

懇談会には非設計者を自認する市民も参加した。会社員の男性(45)は「設計世代の議論を、ナチュラルの側がただ傍観しているわけにもいかない。将来、自分の孫の世代がどちらの選択をするかという話でもある」と述べ、世代を超えた制度設計の難しさを指摘した。司会を務めた市の担当者は、この発言を受けて「当事者・親・非設計者という三つの立場が、それぞれ違う時間軸で同じ制度を見ていることが、今日はっきりした」とまとめた。

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