来春の合同成人式、試行の実施要領固まる ヒト・獣人・ロボットが同じ式に
鵜飼素子市長が主導してきた「合同成人式」構想について、来年1月の成人の日に深川区民センターで初めて試行することが14日、市の発表で分かった。ヒト・獣人・デザインベビー世代の二十歳を対象に、共生ロボットの「稼働更新十年」の節目を迎えた所有者・事業者の出席も合わせて式次第を組む。
■ 二期目の公約、ようやく試行へ
鵜飼素子市長が市政方針として掲げてきた合同成人式は、獣人の氏族ごとの慣行やロボットの法的地位が定まらない中で検討が長引いていたが、14日の市の発表で来年1月(成人の日)、深川区民センターで初めて試行されることが固まった。市は「本格実施は早ければ2028年を想定し、来春はあくまで規模を絞った試行とする」としている。鵜飼市長は会見で「数字を見てから騒ぎましょう、とはいつも言っているが、これは数字が出る前に、まず一度やってみるべきことだと判断した」と述べた。
■ 対象は二十歳、ロボットは「十年」が節目
式の対象は原則、来年1月時点で二十歳を迎えるヒト・獣人・デザインベビー世代の市民。共生ロボットは成人という概念自体がないため、式典への「出席」という形ではなく、稼働開始から十年の節目を迎えた機体の所有者・事業者が同席し、節目を迎えた機体自体も会場内に置かれる案で調整が進んでいるという。市の担当者は「ロボットの法的地位が未確定のまま式の対象に含めるのは難しいという意見と、十年という節目を祝う場があってもいいという意見の両方があり、今回の形に落ち着いた」と説明した。
■ 氏族合同秋祭りが後押し
今回の試行を後押ししたのが、既報の深川の氏族合同秋祭り(犬系・熊系自治会主催)だったという。共同実行委員の柊木環さん(29、熊系)は「秋祭りで、違う氏族の子どもたちが同じ太鼓の間を初めて一緒に聞いているのを見た。成人式も同じようにできないか、という声が実行委員の間から出ていた」と振り返る。市の担当者も「秋祭りの運営方法への他地区からの反響(既報)が、合同成人式の検討を具体的に進める後押しになったのは事実」と認めた。
■ 対象者の声「緊張するけど、楽しみ」
来年二十歳を迎える市民の一人、デザインベビー世代の男性(19)は「自分の世代は見た目はヒトとほとんど変わらないから、式に出ても特に浮くことはないと思うけど、獣人の友達と同じ式に出られるのは単純に嬉しい」と話した。別の女性(19、漂着二世)は「地元の氏族だけの式だと、知らない顔ばかりになる年もある。いろんな人が混ざる式の方が、むしろ気楽かもしれない」と語った。
■ 他地区の自治会からも関心
既報の深川の氏族合同秋祭りには他地区の自治会から運営方法の問い合わせが相次いでおり、来年は亀戸の狐系自治会も合同開催に加わる予定になっている。市の担当者は「今回の合同成人式も深川区民センターでの試行にとどまるが、来年以降、他地区からの参加希望があれば検討する」としている。獣人の氏族ごとに成人を祝う儀礼の形式が異なる点については、「式全体を統一するのではなく、共通の式次第のあとに、氏族ごとの慣行を希望者が任意で行える時間を設ける方向で調整している」と説明した。
■ 詳細は来月発表へ
式次第の細部や参加申し込みの方法は、11月中に改めて発表される。市は「試行であり、課題が出れば来年以降に修正する」としており、ロボット関連の出席の扱いについては、国のロボット法制審の議論の行方も踏まえて最終調整する方針。鵜飼市長は「驚くような式にするつもりはない。驚かないことの方が、むしろこの街らしいと思っている」と結んだ。





