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大島の「治療院」、無免許の外来系技術で高齢者に施術 利用客が軽度の熱傷

2026年(透暦52年)10月14日 (社会部・真柴湊) English

©東亰新報

城東地区・大島で高齢者を対象に「温熱の技法」と称する外来系技術の施術を行っていた施設「静寿庭」について、9月に施術を受けた女性(78)が軽度の熱傷を負って入院していたことが14日、関係者への取材で分かった。経済産業省外来系技術振興課によると、施設の運営者に免許の登録は無い。警察が無免許使用の疑いで捜査に着手している。

■ 「温熱の技法」、月8万円の施術

関係者によると、大島の住宅街にある施設「静寿庭(せいじゅてい)」は約2年前から営業しており、運営者の男性(56)が自らを「術師の家系の出」と称し、手のひらをかざして体を温める「温熱の技法」という施術を行っていた。利用客は60代から80代の高齢者が中心で、肩や腰の痛み、物忘れの不安などを訴える人が多かったという。月8万円の会費制で、利用客は延べ約20人に上るとみられる。

■ 9月、利用客の女性が熱傷で入院

関係者によると、9月中旬、利用客の女性(78)が施術中に左腕に熱傷を負い、家族の付き添いで病院を受診し短期間入院した。女性の家族は本紙の取材に「本人は『温かくて気持ちがよかった』と繰り返すばかりで、何が起きたのか最後まではっきり話してくれなかった」と話した。別の利用客の男性(81)は「痛みが和らぐ気がしていたのは本当だったと思う。でも、効いているように感じることと、実際に効いていることは違うのかもしれない」と語った。本紙はけがの詳しい経過については公開を控える。

■ 免許の登録なし、経産省が確認

経済産業省外来系技術振興課は14日、本紙の照会に対し、運営者の男性の氏名で外来系技術の免許登録は確認できないと回答した。同課担当者は「免許制度は、再現手順が確認された技法を前提にしている。効果や安全性が検証されていない施術を、高齢者の身体に継続的に行っていたとすれば、看過できない」とコメントした。警察は女性の家族からの相談を受けて捜査に着手し、無免許使用の疑いで運営者への聴取を進めている。運営者はこれまでの取材に対し「お客さんが喜んでくれていた。悪いことをしたつもりはない」と話しているという。

■ 既報の無免許教室とは異なる特徴

既報(9月26日)の無免許の「外来系技術体験教室」摘発は、受講料を取って技法の実演を見せる娯楽性の強い内容だった。今回の「静寿庭」は、高齢者の身体の不調を対象に継続的な施術を行い、実際の健康被害が確認された点が異なる。消費者庁研究会(座長・深沢律子)の担当者は「体験型の教室と、治療を標榜する施術とでは、消費者被害の深刻さの種類が違う。高齢者を対象にした無免許施術の実態把握を研究会の論点に加える」と述べた。

■ TDA「発現条件は未解明」

TDAは14日の定例会見で、今回の件についてコメントを求められ、「透過感応・外来系技術のいずれも発現条件・再現条件は未解明であり、免許を持たない者が独自の判断で身体に施す行為に科学的な根拠はない」と従来の見解を改めて述べた。静寿庭の運営者が実際に何らかの技法を用いていたのか、それとも温熱器具などを用いた単なる物理的な処置だったのかは、捜査が続いているため明らかになっていない。経産省担当者は「免許保有者であれば用途別の登録区分に従って使用機器も届け出る義務がある。今回のように区分も届け出も確認できない場合、何が使われていたのか外部からは判断がつかない」とも説明した。

近隣住民の一人は「挨拶する程度の付き合いだったが、特に変わった様子はなかった。まさかこんなことになっているとは」と声を落とした。施設の看板はこの日も出入り口に掛かったままで、営業の有無は確認できなかった。警察は今後、他の利用客への聴取も進める方針で、被害の全容はなお分かっていない。

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