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旧第二湾岸信号所、霧笛が1カ月ぶりに 夜間巡回中の潜行監視員が確認

2026年(透暦52年)10月6日 (社会部・汐入梨花) English

©東亰新報

廃止された旧第二湾岸信号所の周辺で、低い霧笛のような音が聞こえる現象について、5日深夜に夜間巡回中の潜行監視員が約1カ月ぶりにこれを確認した。前回の確認は8月31日で、以後は目立った報告がなかった。信号所は1983年に廃止され、現存する警報設備はない。TDAは「音源・原因とも特定できていない」としている。

■ 「風の音とは違った」

旧第二湾岸信号所は、湾岸の航路整理のために使われていたが1983年に廃止され、現在は立入制限区域の一角に無人のまま残されている。既報のとおり、周辺では低く長い霧笛のような音が不定期に報告されており、最後の確認は8月31日だった。以後1カ月余り報告が途絶えていたが、潜行監視員の霧生伊織氏(29)が5日深夜、夜間巡回中にこの音を再び確認したという。「風の音とは違った。音の立ち上がりと切れ方に、機械的な一定の長さがあった」と話す。

■ 「聞こえないのが仕事」の例外

霧生氏は、既報どおり気配を抑えて巡回する潜行監視員で、「聞こえないのが仕事です」が口癖だが、今回は聞こえたものをそのまま記録に残した。「自分の仕事は気配を消すことだが、聞こえてしまったものは聞こえなかったことにはできない。巡回日誌には、聞いた時刻と方向だけを書いた」と話す。音の方向は信号所の塔の基部付近とみられるが、現場に機材や人の出入りを示す痕跡はなかったという。

■ 現存しない警報設備

信号所の警報設備は廃止時に撤去されており、現地には音を発生させる機器は現存しない。TDAの現地調査担当者は「過去にも同様の報告があり、老朽化した構造物内部での空気の流れによる自然音という説と、特定できない音源による説の両方が検討されてきたが、いずれも決着していない」と説明する。今回、担当者が改めて現地を調べたが、新たな手がかりは得られなかったという。

■ 周辺住民の反応

信号所の近くに住む漁師の一人は「子どもの頃から時々聞く音で、親の世代は『信号所の忘れ物』と呼んでいた。慣れてはいるが、慣れたからといって気味が良くなるわけではない」と話す。別の住民は「聞こえた翌日は特に何も変わらない。ただ、聞こえたという事実だけが記録されて、それで終わる」と話した。

■ 記録に残る回数は少ない

TDAの記録によれば、この音の確認例は過去数年で片手に余る程度しかなく、ほとんどが夜間巡回の監視員か、近隣の漁師による単発の報告だという。観測機材を常設して音を録る試みも過去に一度あったが、設置から半年、一度も鳴らずに撤収されたという経緯がある。担当者は「鳴る夜は予測できない。だからこそ機材より、人が『聞いた』という証言に頼るしかない面がある」と話す。霧生氏自身も、今回で確認は2回目で、最初に聞いたのは着任して間もない数年前だったという。

■ 片付かないまま

TDAは「音源・原因とも特定できていない」との立場を繰り返し、今後も定期的な現地確認を続けるとしている。霧生氏は「次に自分が聞くかどうかは分からない。ただ、聞いたものを聞かなかったことにはしない、というだけだ」と話した。

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