窓グッズ人気に便乗、模倣レプリカの相談相次ぐ 市消費生活センター「本物は市場に出ない」
既報の民間喫茶店「灯窓茶房」の窓グッズ人気に便乗する形で、無許可の粗悪な模倣レプリカがネット通販で出回り始めていることが22日、市消費生活センターへの取材で分かった。今月に入って相談件数が目立って増えており、次元調査課は「本物の窓漂着物は国庫帰属で市場に出ない」と改めて注意を呼びかけている。
■ 「式の札」を模したキーホルダー
市消費生活センターによると、今月に入ってから「注文した窓グッズが、写真と違う粗悪な品だった」という趣旨の相談が10件を超えた。既報のとおり18日に開業した灯窓茶房は、次元調査課が公開済みの観測資料(図版に限る)の商業使用を許可した初の民間店舗で、第7系統「灯しの街」の「式」の札を模したポストカードやレプリカ雑貨を扱っている。センターに寄せられた相談の多くは、この「式の札」を模したとみられる安価なキーホルダーやステッカーで、ネット通販サイトで「限定」「本物同様」などとうたって販売されていたという。
■ 「本物は国庫帰属、市場に出ない」
次元調査課の担当者は「窓漂着物は次元境界管理法により国庫帰属となり、第三鑑定センターの窓班が鑑定・管理する。本物が個人向けに販売されることは制度上あり得ない」と改めて説明した。灯窓茶房が扱う雑貨はあくまで公開資料をもとにした二次的な意匠であり、店主の宮井朔(38)も「うちの品には店の焼き印を必ず入れている。それが無いものは、うちの品ではない」と話す。宮井によると、今月に入って「これはお宅の商品か」という問い合わせが常連客からも数件あったという。
■ 相談の中身、返金トラブルも
センターの担当者によると、相談の多くは「届いた品が写真と著しく違う」「販売者と連絡が取れなくなった」といった一般的な通販トラブルの形を取っており、窓グッズ特有の被害というより、話題性の高い商品につきものの模倣品問題という側面が強いという。返金に応じない販売者もいるとみられ、センターは「話題になっている商品ほど模倣品が出やすいのは、窓グッズに限った話ではない」としつつ、購入前に販売元の表示を確認するよう呼びかけている。
■ 次元調査課、民間利用の指針を検討中
既報のとおり次元調査課は灯窓茶房の開業を機に、観測資料の商業利用に関する許諾ガイドラインの整備を検討している。担当者は「模倣品の問題が先に表に出てしまったが、正規の利用と模倣品を区別できる仕組みは、もともと検討課題に入っていた」と述べ、ガイドライン公表の時期は未定としながらも作業を急ぐ考えを示した。倫理論争(向こうのプライバシー、見学の商業化など)の資料棚を店内に設ける灯窓茶房にとっても、模倣品問題は「商業化の是非」という既存の論点と地続きになっている。
■ 他の系統でも懸念
灯窓茶房の窓グッズだけでなく、既報の第122系統(砂町の子ども靴)や第150系統(深川の鈴)といった話題性の高い新系統についても、鑑定前の段階から模した雑貨がネット上で見受けられるとの指摘がセンターに寄せられている。第三鑑定センターの担当者は「鑑定中の漂着物そのものの画像を無断で使う例もあり、今回の窓グッズとは別の問題として注意している」と述べ、今後は次元調査課だけでなく鑑定センター側でも情報発信を強化する方針という。
■ 消費者の受け止め
灯窓茶房に並んでいた常連客の男性(45)は「本物と偽物の区別がつかないくらい、うちらの街にとってはもう窓が日常になったということかもしれない」と話す一方、「せっかく次元調査課が許可した初めての店なのに、模倣品でケチがつくのはもったいない」との声も聞かれた。センターは「被害が大きく広がっている段階ではないが、話題性が続く限り相談は増える可能性がある」として、引き続き注意を呼びかけている。灯窓茶房は当面、店頭とオンラインでの正規販売のみに絞る方針で、宮井は「模倣品対策のために品を増やすより、まず焼き印を徹底することのほうが先だと思っている」と静かに話した。
