瑠海の先行派遣、11月に3週間程度で調整 鑑定協力拡大への布石
瑠海王国の拾い上げ庁次官マノン・ケイレア氏が率いる実務団と第三鑑定センターは25日、既報の11月先行派遣について具体日程の協議に入った。関係者によると、双方2〜3人規模、11月10日ごろから3週間程度の滞在で調整が進んでいる。10月19〜22日に予定される国王カイエ3世の国賓来訪(即位後初)に先立ち、鑑定人材の相互研修という協定拡大の柱を先取りで動かす狙いがある。正式発表は10月上旬めどという。
■ 「試験的な先行派遣」の中身が固まりつつある
既報のとおり、瑠海王国の拾い上げ庁次官マノン・ケイレア氏(48)は17日、本格実施(年間十数人規模・研修期間3カ月程度)を来年度以降に先送りし、双方2〜3人規模・数週間程度の試験的な先行派遣を11月に行う方向で調整する意向を示していた。25日、東亰入りしている実務団と第三鑑定センターの担当者による協議で、期間はおおむね11月10日ごろから3週間程度、双方2〜3人規模という骨格が固まりつつあることが関係者への取材で分かった。
■ 研修は「見学中心」、実技は本格実施後に
先行派遣の内容は、鑑定手法の相互見学と意見交換が中心で、実技研修(現物の漂着物を扱う実習)は本格実施を待つ方向という。第三鑑定センターの担当者は本紙の取材に、「3週間という期間では、実技まで踏み込むと消化不良になる。まずはお互いの現場を見て、何を教え合えるかを確かめる期間にしたい」と説明した。瑠海側は回収専用船12隻・国民約8人に1人が回収鑑定職という国柄(既報)を踏まえ、「量」の経験を、日ノ國側は第三鑑定センターの系統照合データベース(既報・150系統超)という「精度」の経験を、それぞれ持ち寄る形になる見通し。
■ カイエ3世来訪の前哨として
日程が11月に置かれた背景には、既報どおり10月19〜22日に予定される国王カイエ3世の国賓来訪がある。来訪の焦点は鑑定協力協定の拡大(既報)で、その柱である鑑定人材の相互研修を、来訪前に一度動かしておくことで「机上の合意で終わらせない」(関係者)狙いがあるとみられる。マノン・ケイレア氏は取材に「国王の来訪を待ってから始めるのでは遅い、というのが私たちの結論だった。小さな一歩でも、先に踏み出しておきたい」とコメントした。
■ 日ノ國—瑠海、友好関係の実務化
日ノ國と瑠海王国は既報のとおり鑑定協力協定で結ばれた友好国同士。窓条約をめぐる公開派・主権派・中間の三陣営(既報)では瑠海は公開派に位置するが、今回の協議は陣営対立とは別の、二国間の実務協力として進んでいる。外務省筋は「瑠海との関係は、対立の多い窓条約交渉の中で数少ない、純粋に前向きな材料」と話す。
■ 現場の受け止め
第三鑑定センターの鑑定官の一人は、「向こうは量、こちらは精度、とよく言われるが、実際に一緒に作業してみないと分からないことも多い。3週間は短いようで、お互いの『当たり前』のずれを確認するには十分な長さだと思う」と話した。瑠海実務団の一員は取材に、「回収した瞬間に危険物かどうかを判断する訓練は積んできたが、系統照合の精度をここまで追い込む発想は瑠海にはなかった。持ち帰って国に伝えたいことは、もう今の時点でいくつもある」と語り、先行派遣そのものへの期待をにじませた。
■ 正式発表は10月上旬
具体的な人選や滞在中の日程詳細は今後詰める。正式発表は10月上旬をめどとしており、国賓来訪の日程発表とあわせて公表される可能性もあるという。既報の鑑定人材の相互研修(年間十数人規模・研修期間3カ月程度)の本格実施時期は、今回の先行派遣の結果を踏まえて来年度以降に判断される見通し。
