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経済

瑠海王国と鑑定協力を拡大へ 「拾う国」のノウハウに観測関連株が上昇

2026年(透暦52年)8月29日 (経済部・甲斐谷連) English

海上漂着物を引き揚げる瑠海王国の回収船。同国は専用船を12隻運用する=瑠海王国提供©東亰新報

政府は29日、南洋の島嶼国・瑠海王国との漂着物鑑定協力協定を拡大する方針を固めた。海上回収技術で知られる「拾う国」との連携強化を受け、観測・回収関連銘柄が軒並み上昇した。

瑠海王国は揺らぎ多発海域を抱え、海上漂着物の回収・鑑定で独自の技術蓄積を持つ。国土の小さな島嶼国ながら回収専用船12隻を運用し、波間の漂着物を音響探査で特定する技術は「世界最高水準」(業界関係者)とされる。回収した漂着物の鑑定データを国際共同研究に無償提供してきたことでも知られ、「拾う国」の通称はこの姿勢に由来する。王室が漂着民の血を引く世界で唯一の国でもあり、カイエ3世国王は自身の配信で「海に落ちたものを拾うのは、我々の祖先がそうしてもらったからだ」と語った。

■協定拡大の3本柱

現行協定は5年前に結ばれ、鑑定データの相互照会に限られていた。政府関係者によると、拡大協定は3本柱となる。海上事象への共同対応体制の構築、鑑定人の相互派遣と資格の相互承認、そして瑠海の音響探査技術の日ノ國沿岸への導入だ。共同対応には湾岸九霧事象(2003年)型の大規模海上事象が想定されており、湾岸の透過指数が高止まりする中でのタイミングとなった。

外務省筋は「瑠海は小国だが、この分野では大国だ。教わる立場を隠す必要はない」と話す。協定文書の署名は、カイエ3世の来訪に合わせて年内にも行われる見通しだ。

■「拾う国」の来歴

瑠海の回収技術は、必要から生まれた。国土のほぼ全域が揺らぎ多発海域に面し、漁場と航路を維持するには、海面の漂着物を素早く見つけて引き揚げるほかなかった。透暦20年代に王室の主導で回収船団が国営化され、以来、鑑定と回収は同国の基幹産業となっている。国民の約8人に1人が回収・鑑定関連の職に就くとされ、首都の港には「今月の回収数」を示す電光掲示が立つ。

カイエ3世は即位式を自ら配信した「配信王」としても知られ、東亰の若者のフォロワーも多い。先月の配信では、曽祖母にあたる漂着一世の言葉として「海は境界ではなく、床である」という一節を紹介し、「我々は床に落ちているものを拾っているだけだ」と語った。この配信の切り抜きは日ノ國でも370万回再生されている。

■関連銘柄は軒並み高

29日の株式市場では、観測機器大手が前日比7%高、海洋回収サービス2社がそれぞれ5%高、9%高と、関連銘柄が軒並み上昇した。音響探査技術のライセンス供与先と目される造船・電機系にも買いが広がった。証券アナリストは「湾岸の指数高止まりで観測関連はもともと物色されていた。そこに国策の裏付けが乗った形だ」と指摘する。

一方、鑑定人の相互承認をめぐっては、国内の鑑定人団体から「養成課程の水準が異なる」と慎重論も出ている。亀戸の鑑定人養成機関の関係者は「瑠海の鑑定人は海上経験が豊富で、学ぶことは多い。ただ、資格の同等性は感情ではなく課程で判断してほしい」と注文を付けた。

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