ヨルサギ生態調査、初の中間報告 標識32羽、従来推定とおおむね一致
TDA生物管理課は16日、既報(8月31日)で特定漂着種に指定された漂着生物「ヨルサギ」の3年計画の生態調査について、初めての中間報告を公表した。観測開始から1カ月半で32羽の標識装着に成功し、従来の目視による推定(40羽前後)とおおむね整合する結果になったという。餌付け禁止の過料処分も初めて1件適用された。
■ 32羽に標識、推定とほぼ一致
既報(8月31日)のとおり、城北の都市緑地に定着したヨルサギは12例目の特定漂着種として指定され、秋から観測カメラ12台と標識調査による初めての本格的な生態調査に入った。TDA生物管理課は16日、観測開始(9月1日)から1カ月半の中間報告を公表し、これまでに32羽の個体に標識装着を終えたと発表した。指定時点の目視による推定は40羽前後だったが、同課は「夜しか動かない個体のすべてを捕獲できるわけではないので、32羽という確定数字と40羽前後という推定の幅は、むしろ整合していると見ている」と説明した。
繁殖期・越冬の有無・餌の内容は依然いずれも確定していない。標識を付けた個体の行動範囲は緑地とその周辺約800メートルの範囲にほぼ収まっており、同課は「定着という最初の判断に、調査が追いついてきた段階」と評価する。
■ 餌付けで初の過料
指定に伴い禁止された餌付けについて、同課は16日、緑地周辺で常習的にパンくずを撒いていた男性(70代)に初めて過料を適用したと発表した。男性は「寒い時期だから、腹を空かせているだろうと思って」と話したという。同課は「好意からの行動であることは理解するが、餌付けは個体の行動範囲や個体数の自然な変化を見えなくしてしまう。せっかく始めた調査の足を引くことになる」とコメントした。
■ 観察会でバードウォッチング人気に
一方で、調査開始を機に区が11月から始める予定の「ヨルサギ観察会」(定員20組、抽選制)には、告知段階で申し込みが定員の6倍を超えた。緑地近くに住む野鳥愛好家の永田保さん(67)は「鳴かない鳥というのが、最初はどうも物足りなかった。でも標識をつけるところを見せてもらって、名前も番号もついた一羽一羽として見られるようになってから、通うのが楽しくなった」と話す。永田さんは観察会の案内役の一人を区から頼まれているという。
区の公園緑地課は「夜間の照明での撮影や三脚の集中といった既報(8月)の課題は、観察会という形で住民の関心を正しい距離に導けないか、という発想から始まった企画だ」と狙いを説明した。
■ 違反は依然まれ、生態はなお謎のまま
同課によると、過料の適用はこれまでの特定漂着種全体でも累計で数件にとどまり、今回が今年初めての適用例となる。餌の内容や鳴かない理由など、ヨルサギの生態の核心部分は3年計画のこれからの観測にかかっている。同課は「数える前に減らすと、減ったかどうかも分からなくなる、という指定時の方針どおり進んでいる。中間報告はあくまで数字の整合確認で、謎が解けたわけではない」と結んだ。

