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亀戸の古地図にある路地、誰の記憶にも残っていない 区が現地確認へ

2026年(透暦52年)10月7日 (社会部・汐入梨花) English

©東亰新報

亀戸三丁目の1983年の区発行地図に記載されている路地について、現地の住民に尋ねても誰一人として覚えている者がいないことが分かった。区の資産台帳にも路地の記録は残っているが、現在その位置には別の建物が隙間なく建っており、路地が実在した痕跡は地上に一切見当たらない。区は7日、現地確認を行う方針を明らかにした。

■ 地図にはあるのに、誰も覚えていない

亀戸三丁目に古くから住む人々の間で、ちょっとした戸惑いが広がっている。区が1983年に発行した住宅地図には、現在の亀戸パーキングビルと隣接する集合住宅の間を通る幅約1.5メートルの路地が記載されているが、同じ場所を実際に歩くと、二つの建物は壁同士が接して建ち、路地が通っていた隙間はどこにもない。本紙が地図の記載を頼りに周辺住民8人に尋ねたところ、1983年当時すでに同地に住んでいた70代の女性2人を含め、誰一人として「そんな路地があった」という記憶を持っていなかった。

■ 区の台帳にも記録が残る

区の道路管理課によると、問題の路地は区道には認定されていない私道扱いの通路で、1983年の地図作成時点の資産台帳には「幅1.5メートル、長さ約12メートルの私道」として記録が残っているという。担当者は「台帳の記録自体は確かに存在する。だが、いつこの路地が無くなったのか、廃止や埋め立ての手続きを示す記録は、少なくとも現時点で見つかっていない」と説明する。通常、私道を別の用途に転用する際には届け出が必要だが、該当する届け出も見当たらないという。

■ 「建物の継ぎ目が、不自然に古い」

路地があったとされる場所を調べた一級建築士は、「二つの建物の外壁が接する部分を見ると、継ぎ目の劣化の具合が、建物本体の築年数と比べて不自然に古い。路地があった時期と無くなった時期の間に、何らかの工事が入った可能性はある」と指摘する。一方で、「工事の記録が区にも建物の管理組合にも残っていないのは、やはり妙だ。普通なら、どこかに書類が残る」と話し、断定は避けた。

■ 「忘れていたわけではない、そもそも知らなかった」

路地の記載がある区画の隣に40年近く住む男性(78)は「地図を見せてもらって初めて知った。忘れていたわけではなく、そもそも路地があったこと自体を知らなかったとしか言えない。毎日この道を通っているのに、おかしな話だ」と話す。別の住民女性(69)は「もし本当に路地があったなら、子どもの遊び場になっていたはずだし、近所で話題にならないはずがない。それなのに、誰の話にも出てこない」と戸惑いを見せた。

■ 区「現地確認を行う」

区は7日、本紙の問い合わせを受け、「台帳の記録と現況が一致しない事例として、現地確認を行う」との方針を明らかにした。担当者は「古い地図の誤記である可能性も排除はできない。ただ、台帳と地図の両方に同じ記載があるケースは、単純な誤記としては扱いにくい」と述べ、今後は建物の建築確認記録なども含めて調べる方針とした。TDAは「揺らぎとの関連を示す兆候は現時点で何もない」としつつ、「記憶や記録に関わる事案である以上、報告は受け止めている」とのコメントを出した。

■ 片付かないまま

本紙が確認した限り、路地の存在を示す唯一の物証は、区が保管する1983年の地図と資産台帳の2点のみで、写真や証言は一件も見つかっていない。路地があったとされる場所の前を通りがかった大学生(21)は「地図にだけ残っていて、誰の頭にも残っていないというのが、一番気味が悪い。無かったことにされたのか、本当に無かったのか、どっちなんだろう」と話した。区は、現地確認の結果がまとまる時期について「まだ見通せない」としている。

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