深川北小の説明会、新たな一致なし TDAが初めて児童への継続観察を打診
深川北小学校は16日夜、既報(13日)の「同じ夢」をめぐる保護者説明会を開いた。TDA次元調査課の柚木透技官(31)は、児童14人への追加の聞き取り・作画でも第1窓「灯しの街」の観測記録と新たに一致する絵は出ていないと説明した一方、学校・保護者の同意が得られる範囲で、今後半年ほど児童に夢の有無を任意で記録してもらう「簡易観察」への協力を打診した。次元調査課が一般市民、それも児童を対象にこの種の協力を正式に依頼するのは初めてだという。
■ 体育館に保護者約40人
深川北小学校は16日夜、4年1組(41世帯)の保護者を対象にした説明会を体育館で開いた。出席したのは約40人。担任の近藤美月教諭(34)がこれまでの経緯を改めて説明したあと、TDA次元調査課の柚木透技官(ゆずき・とおる、兎系二世・31)が、既報(13日)の第1窓「灯しの街」との照合結果について補足した。近藤教諭が保護者の前に立つのは、9月の家庭訪問以来だという。
■ 追加調査でも新しい一致なし
柚木技官によると、13日の発表以降、14人全員に改めて任意の簡単な聞き取りと追加の作画を依頼した。最初の9枚のうち細部まで一致したのは1枚だけだったが、今回新たに提出された絵にも、第1窓の観測記録と一致するものは出ていないという。「母数を増やしても一致が増えなかったことは、むしろ、あの1枚が偶然の重なりだった可能性を裏付けているとも言える」と柚木技官。会場からは「結局、何だったのか」「もう起きないのか」といった質問が相次いだが、技官は「分かっていないことを分かっていないと答えるのが、今の誠実さだと思っている」と繰り返すにとどめた。
■ 「簡易観察」、初めての打診
説明会の終盤、柚木技官は次元調査課として、学校・保護者の同意が得られる範囲で、今後半年ほど同じ学級の児童に夢を見たかどうかを任意で記録してもらう「簡易観察」への協力を依頼した。方法は、気づいたときに手元のノートへ一言書き留めるだけという簡単なもので、学業への影響がないよう配慮するという。調査課が一般市民、それも児童を対象にこうした協力を正式に依頼するのは初めてだとしたうえで、「窓の向こう側を見ているだけでは分からないことが、こちら側から見えることがあるかもしれない」と狙いを説明した。記録は匿名化したうえで内部資料として扱い、公表時期・方法は改めて学校を通じて相談するとした。
■ 賛否が割れた保護者
打診への反応は割れた。児童の一人の母親(38)は「怖い夢ではなかったと本人も言っているし、ノートに一言書くだけなら負担にはならないと思う」と前向きに受け止めた。一方、別の保護者(41)は「うちの子をこれ以上、調査の対象として扱ってほしくない。普通の小学4年生に戻してあげたい」と懸念を示し、会場から拍手が起きる場面もあった。近藤教諭は「強制はしない。協力する・しないで教室の中に差をつけないことを約束する」と述べ、協力の可否はあくまで各家庭の判断に委ねる方針を説明した。学校は今月中に、協力の意思を確認する用紙を配布するという。
■ 柚木技官「子どもたちの日常が先」
説明会の後、柚木技官は本紙の取材に「保護者の不安はもっともだと思う。協力が集まらなければ集まらないで、それが今回の結論ということでいい」と話した。近藤教諭は「子どもたちの日常を乱さないことを一番に考えたい、という気持ちは9月から変わっていない」と繰り返した。第5窓での「気づいている兆候」の見解修正、第3窓の信号実験への応答とは別枠の事例として扱う、という従来の整理にも変更はないという。
■ 戸田輪記者の視点
体育館のパイプ椅子に並んだ保護者たちの表情は、不安と好奇心が半分ずつだった。窓室のガラス越しに見ているものが、小学校の教室の机にも、今度はノートの余白にも現れるかもしれない——その可能性を、この街はどこまで受け入れる用意があるのか。柚木技官が「集まらなければそれでいい」と言った声に迷いはなかった。急がないことも、調べることのうちなのだと思う。





