第3窓「粘体の沼」、二度目の信号実験にも応答 次元調査課「気づいている兆候」に格上げ
TDA次元調査課は16日、第3窓「粘体の沼」で13日に続き15日深夜にも窓室から意図的な信号を送り、個体「見張り」(88-C)がパターンを変えた二度目の合図にも体色変化で応えたと発表した。これを受け、同課は第3窓を、第5窓「剣の国」と並ぶ「気づいている兆候」の窓に格上げした。意思疎通の証明ではないとの慎重な立場は維持している。
■ パターンを変えた、二度目の合図
既報(14日)のとおり、第三鑑定センター裏の第5窓とは別に、多摩東部・稲城の谷の第3窓「粘体の沼」でも13日深夜、次元調査課の倫理委員会の了承を得て初めての意図的な信号実験が行われていた。窓室の照明を「2秒点灯・1秒消灯」のリズムで3回点滅させたところ、個体番号88-C、通称「見張り」が、ほぼ同じリズムで体色を3回連続して変化させたことが14日に判明している。
次元調査課は16日、15日深夜1時50分から3時22分までの92分間の開口中に、二度目の信号実験を実施したと発表した。今回は前回とまったく同じ合図では「慣れ」や「偶然の一致」の余地が残るとして、パターンを意図的に変更。点灯と消灯の長さの比率を逆にした「1秒点灯・2秒消灯」のリズムを、回数も3回から4回に変えて送った。見張りは、この新しいリズムと回数の両方に、ほぼ同じ形で体色を4回変化させて応えたという。
「前回とまったく同じ条件を繰り返しただけなら、慣れた反射とも説明できた。今回はこちらが条件を変え、その変化のほうにも追随した。偶然とは言いにくい、と踏み込んだ理由はそこにあります」と次元調査課の担当者は説明する。
■ 「気づいている兆候」、第5窓と並ぶ二つ目の窓に
次元調査課はこの結果を踏まえ16日、第3窓を、既報(5日)で向こうの市場の人々が窓へ札を掲げる行動から「気づいている兆候」と認定された第5窓「剣の国」と並ぶ、二つ目の「気づいている兆候」の窓に格上げすると発表した。五つの定常窓のうち、二つが同時にこの段階に達するのは初めてとなる。
ただし二つの窓で「兆候」が確認された経路はまったく異なる。第5窓は、向こうの市場の人々という「人の行動」から気づいている可能性が読み取られた。第3窓は、見張りという「生物個体の反応」から読み取られた。次元調査課は「向こうに人がいるのか、生物がいるのか、知性のかたちも分からないまま、両方の窓で似た手触りの兆候が出てきた。これをどう受け止めるかは、むしろこれからの課題です」とコメントしている。
外部有識者検討会の座長を務める湾洋大学教授・梶浦悦子(58)は本紙の取材に「第5窓は人の社会的な行動、第3窓は一個体の生理的な反応という、観測の性質がまったく違う二つの事例が、同じ『兆候』という言葉でくくられつつある。言葉が先に走らないよう、11月の初会合では、むしろこの違いをきちんと切り分けることから始めたい」と話した。
■ 「意思疎通の証明ではない」、五原則の慎重さは変えず
次元調査課は会見で「気づいている兆候」という言葉の意味を改めて説明した。これは「向こうがこちらの存在に反応している可能性が高い」という観測上の評価であり、「向こうが何を考えているか」「意図して応えているのか」までは一切断定しないという。見張りの体色変化が「返事」なのか、単に光の変化に対する無意識の生理反応なのかは、依然として分からないままだ。
窓室に夜通し座る窓番の一人は匿名で、「こちらが何かを送って、向こうが何かで応える。その往復がたしかにあったと分かった日、湯呑みの中身がいつもより冷めていたのを覚えている。見ている間、手が止まっていたからだと思う」と日誌の一節を明かした。倫理委員会は今後、信号実験の頻度を週1回程度に制限する方針を決めており、実験のたびに大きな発表があるわけではないことも強調している。
■ 役割分担の整理、検討会の議題は7項目に
既報(11日)の第1窓「灯しの街」の光の行列と「音」の分析は、担当技官・柚木透が引き続き進めている。次元調査課は今回、第1窓の「向こうから発せられたように見えるもの」の分析と、第3窓・第5窓の「こちらが送った信号への応答」の検証とを、観測の性質が違う別の作業として整理すると説明した。11月上旬をめどに開かれる外部有識者検討会の議題は、これにより6項目から7項目に増える見通しとなった。
次元調査課は最後に「窓の向こうに何がいるのかは、まだ何も分かっていない。分かったのは、こちらが送ったものに、向こうの何かが応えたらしいということだけだ」と述べ、断定を避ける従来の姿勢を改めて強調した。





