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保管中のはずの漂着物、越洋の闇市場に センター「流出経路を調査」

2026年(透暦52年)10月12日 (経済部・甲斐谷連) English

©東亰新報

2019年に登録された第64系統の革製の小袋――第三鑑定センターの保管棚にあるはずの漂着物――が、越洋の港湾都市のオークション画像に写っているのが見つかった。センターは12日、該当品が現に棚から無くなっていることを確認し、流出経路の内部調査を始めたと発表した。経路・時期とも依然不明。

■ オークション画像の「タグ」

発端は、越洋の港湾都市で開かれたオンライン即売会の出品画像だった。手のひらに乗る大きさの革製の小袋が「来歴不明の珍品」として出品され、ひもの結び目の下に小さな登録タグが写り込んでいた。これを見た日ノ國の漂着物収集家が、タグの書式が第三鑑定センターのものと同一であることに気づき、予備調査協会(会長・露木要)の知り合いの業者に相談。業者が協会を通じてセンターに照会したことで、今回の発覚につながった。

該当のタグは、2019年に砂町で見つかり本鑑定の結果「第64系統」として登録された小袋のものと一致した。第64系統は、漂着物1点だけで登録された「一度きりの世界」のひとつで、以後6年間、本鑑定済みの棚に保管されていたはずだった。センターが12日、該当の保管棚を確認したところ、現物が無く、タグの写しと記録だけが残っていた。

■ 「あってはならないこと」

センターは12日の発表で「本来、鑑定済みの漂着物が国庫帰属のまま棚を離れることはあり得ない。あってはならないことが起きている」とし、当該棚の出入り記録と過去の移送記録をさかのぼって調べる内部調査チームを立ち上げたと明らかにした。出品したとされる越洋側の業者の身元は現時点で特定できておらず、画像の小袋そのものが本物かどうかの確認作業も進めている。

露木要は本紙の取材に「予備調査協会は『開けない・急かさない・記録を残す』を三原則にしているが、記録を残すべき側が崩れれば、どちらの原則も意味を持たない」と述べ、業界全体への信頼への影響を懸念した。既報の儀礼団体連合による国庫帰属見直し提言(9月)は、センターの保管体制そのものを問うものだったが、今回の件でその指摘が別の角度から裏付けられた形になった。

■ 「珍品」の値段

越洋側の出品ページには、問題の小袋が「来歴不明・用途不明の珍品」として、現地通貨で日ノ國円にしておよそ4万円相当の値が付けられていたという。落札されたかどうかは12日時点で確認できていない。本紙が確認した出品画像では、小袋の表面に経年による乾き割れが見られ、6年間の保管状況そのものに大きな変化は無さそうに見えるという。センター関係者は「もし本当に本物なら、鑑定済みの棚から出た品がこんな値段で、しかも『珍品』扱いで出されていたことが、いちばん悔しい」と漏らした。

■ ほかの棚は

センターは「現時点で確認されているのは第64系統の1点のみ」としつつ、他の保管棚についても抜き取り調査を今週中に行う方針を明らかにした。流出の時期・経路・関与者は、いずれも未解明のまま。本紙は今後も取材を続ける。

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