深川漂着物、開封の最終リハーサル実施 本番は29日
第三鑑定センターは28日、深川漂着物3点のうち1点を29日に気密チャンバー内で開封する作業の最終リハーサルを実施した。容器は使わず模擬手順のみで、気圧計測から気体採取、緊急停止までの一連の動きと記録機材の同期を確認。センターは29日の本番に向け「手順に不安要素はない」としつつ、液面の像が追従しない現象の原因解明には直結しないとの立場を改めて強調した。
■ 容器を使わない「空の本番」
第三鑑定センターによると、28日の最終リハーサルは既報のとおり容器そのものを使わず、担当職員がチャンバーの前で本番と同じ動線・同じ所要時間を再現する形で行われた。気密試験と機材校正が完了した27日を受けての実施で、内部気圧の計測、蓋をごくわずかに開けて気体成分を採取する動作、その後の開放度合いを判断する手順、そして異常が確認された場合の緊急停止までの一連の流れを、記録機材の同期を確認しながら通した。担当者は「本番で初めて手が止まる、ということがないようにするための練習」と説明した。
■ 「手順に不安要素はない」、それでも急がない
リハーサルの結果について、センターは「手順そのものに不安要素は見当たらなかった」とコメントした一方、既報どおり「開封したからといって、性質がすぐに分かるとは限らない」との立場を重ねて強調した。液面の像が容器を傾けても追従しないという現象は、X線・音響のいずれの計測系にも異常が見つかっていない。担当者は「機材が正常なことと、中身の性質が分かることは別の話だ。リハーサルがうまくいったことを、解明に近づいたことだと勘違いしないでほしい」と釘を刺した。
■ 検疫委員会委員長「あすは審議の続き」
立会予定の検疫委員会委員長は取材に「今日のリハーサルを見て、手順への不安はほぼ解消された。あすは9月16日の審議の続きだと考えている。開けることそのものが目的ではなく、保管継続という判断が正しかったかを確かめる作業だ」と話した。既報のとおり検疫委員会は9月16日、3点のうち1点のみを開封し残る2点は当面保管継続とする方針を決定しており、あすの開封対象はその1点に限られる。
■ 深川町内会、それぞれの一夜
深川町内会は既報のとおり開封の是非をめぐって意見が割れたままだ。リハーサルの様子を伝え聞いた町内会役員の一人は「あすは立ち会うと決めている。何が分かって何が分からなかったかを、自分の目で見ておきたい」と話した一方、別の住民は「保管継続の2点まで巻き込まれないか、まだ気にかかっている」と複雑な表情を見せた。センターは、あす29日中に開いたかどうかと確認された内容の速報を出す方針で、詳細な学術データの公開は10月上旬をめどとしている。
■ 記録機材、二重化して臨む
リハーサルではもう一点、機材面の確認も行われた。映像・音響・気圧の各記録系統は本番当日、故障に備えて二重化した装置で並行記録する運用が28日に最終確認された。担当技師は「片方が止まっても、もう片方で記録が途切れないようにする。地味だが、この手の作業では機材の冗長性がいちばんの安心材料になる」と話した。あわせて、既報の3点の刻印に見られる書体の微妙な違いについても、開封対象の1点を優先して撮影・採寸する計画が確認され、保管継続となる残る2点との比較データは後日、時間をかけて取得する方針という。
■ 未解明のまま迎えるあす
リハーサルを終えたチャンバーは28日夜、施錠されたまま次の朝を待つ。センターは「29日に何が確認されても、あるいは何も確認されなくても、液面の像が追従しない現象そのものの原因は当面、未解明のまま残る可能性が高い」との見通しを崩していない。それでも担当者は「記録を残すことが最優先」という25日以来の言葉を、この日も繰り返した。本紙は29日の開封結果を速報する。
