湾岸モノレールの「傘」、5件目は別の座席に 初めて「濡れていた」
湾岸モノレールの回送最終便で見つかる台帳にない長傘について、2日夜にも1件が確認されていたことが分かった。既報の4件はいずれも左窓側の同じ座席で見つかっていたが、今回は3列離れた別の座席。さらに、過去4件はすべて乾いていたのに対し、今回は初めて濡れた状態で見つかった。会社は該当座席を含む車両を一時使用停止とし、原因は依然として分かっていない。
■ 「同じ座席」という前提が崩れる
湾岸モノレールの回送最終便後、車庫での終業点検で見つかる紺色の長傘について、10月2日夜にも1件が確認されていたことが、本紙の取材で分かった。既報の8月24日・28日、9月1日・6日の4件はいずれも進行方向左側の同じ窓側座席で発見されており、会社は9月10日からこの座席の使用を見合わせていた。今回の5件目は、その座席から3列離れた別の窓側座席で見つかった。社員によると、使用停止中の座席そのものには今回も変化がなかったという。乗務員組合の担当者は「同じ座席さえ監視していれば済む話だと、どこかで思っていた。それが崩れたのは正直こたえる」と話した。
■ 初めて「濡れていた」
これまでの4件は、雨の日に見つかった場合も含めてすべて乾いた状態だった。しかし今回見つかった長傘は、表面に水滴が残り、座面にもわずかに湿った跡があったという。2日は日中から小雨が降っており、社員は当初「忘れ物の傘が今回は普通に濡れているだけでは」と考えたというが、該当座席は忘れ物台帳・乗務記録・車内カメラのいずれとも突合できず、既報と同じく「誰のものでもない」点は変わらなかった。会社の広報担当者は「乾いていたことが、これまでは唯一の手がかりのようなものだった。それが崩れて、正直どう捉えていいか分からない」と述べた。
■ 「次はどこに」という不安
乗務員組合は10日の緊急会合で、座席単位の監視では対応できない可能性を踏まえ、車両全体の点検体制の見直しを求める方針を固めたという。既報のとおり8月20日からの2人乗務化、9月10日からの座席使用見合わせと対策を重ねてきたが、いずれも次の出現を防げていない。ある乗務員は匿名を条件に「次はどこに出るのか、濡れているのか乾いているのか、何一つ予測がつかない。怖いというより、何を基準に安心していいのか分からなくなった」と打ち明けた。
■ 利用者の受け止め
深川―亀戸間を通勤で使う女性会社員(31)は「正直、怖いというより気になって仕方ない。座る場所を選べるなら、今は窓側は避けている」と話す一方、別の利用者の男性(45)は「5件も続くと、もう怪談というより街の名物みたいな感覚になってきた。原因が分かってほしい気持ちと、分からないままの方が面白い気持ちが半々」と複雑な胸中を明かした。既報のとおり岸見物の界隈ではこの件も話題になっているといい、会社は「見物目的での車両への立ち入りは認められない」と改めて呼びかけている。
■ 会社の対応
会社は該当車両を一時使用停止とし、別編成での代走運行で対応しているという。TDA生物管理課は「現時点で漂着生物・漂着物のいずれにも該当する所見はない」とのコメントを出しており、次元境界管理法上の扱いも依然として未確定のまま。会社は「原因究明を急ぐが、現時点で利用者の安全に直接関わる事象とは考えていない」としている。既報どおりTDA次元境界管理法の適用対象となるかどうかの判断には、鑑定が必要となる可能性があり、第三鑑定センターへの持ち込みも検討されているという。窓班の担当者は「次元調査課の案件ではないが、未確定物として扱う前例が無いわけではない」と述べ、他部署との情報共有を進める考えを示した。



