そなえ屋など、来年度の透過指数保険料「据え置き」 再保険料上昇は当面自己吸収
予報連動型の損害保険を手がけるそなえ屋損害保険など主要3社は5日、来年度の家庭向け透過指数保険料を今年度と同水準に据え置くと発表した。既報のブリタン再保険組合(BRU)による国際再保険料率の平均12%引き上げ(来年度から)を受けた決定で、各社は差額を当面、自社の準備金で吸収する方針。上昇が2年以上続く場合は見直しを検討するとしている。
■ 準備金は「数年分の余力」
そなえ屋によると、今回の据え置きを可能にしたのは、過去数年の大潮集中観測期間の保険料収入が想定より安定していたことで積み上がった準備金だという。担当者は「悪化してから対応するのではなく、崩れる前に手を打つという判断だ。余力は無限ではないが、1年分の上昇を吸収できる程度は確保できている」と説明した。他の2社も同様に、既報の大潮割増を含む過去の料率改定で得た収入を今回の原資に充てたとみられる。
■ 12%の上昇、家庭には回さない
既報のとおり、ブリタンの大手再保険組織・BRUは今月、窓機・定常窓付帯施設向けの国際再保険料率を来年度から平均12%引き上げると発表していた。この上昇分が家庭向けの透過指数保険料に波及するかが注目されていたが、そなえ屋損害保険など主要3社は5日、来年度の家庭向け料率を今年度と同水準に据え置くと発表した。そなえ屋の担当者は「国際再保険の料率と、家庭向けの指数連動料率は別の計算だが、原資の一部が重なるのは事実だ。今回は自社の準備金で吸収し、契約者への影響を避ける判断をした」と説明した。
■ 「2年続けば見直す」 条件付きの据え置き
3社は、今回の据え置きが無条件ではないことも明らかにした。BRUの引き上げが来年度限りであれば吸収できる範囲だが、再来年度以降も同水準の上昇が続く場合は「見直しの検討に入る」という。金融庁の担当者は「据え置きの判断そのものは歓迎するが、再保険市場の動向次第で各社の経営体質に負担がかかる可能性はある。中長期的な体質強化を求めていきたい」と述べ、楽観一辺倒ではない姿勢を示した。
■ 記念日週の割増を覚えている契約者たち
湾岸部の契約者の間では、9月の大潮集中観測期間に日割り保険料が1.5〜1.8倍になった既報の「記念日週の割増」への批判がまだ記憶に新しい。湾岸部の商店主は「あのときは『予報と料金は別』と突き放された感じがしたが、今回は上がらないと聞いて少し見直した。今後も説明はちゃんとしてほしい」と話した。市消費生活センターには、今回の発表後、問い合わせというより「上がらなくてよかった」という趣旨の声がいくつか届いているという。
■ 窓機関連の施設保険は別枠
据え置きの対象はあくまで家庭向けの透過指数保険料で、窓機・定常窓付帯施設そのものを対象にした施設保険は、既報のBRUの引き上げをほぼそのまま反映する形で来年度から値上げされる見通しだ。そなえ屋の担当者は「家庭向けと施設向けを同じ扱いにはできない。施設側の保険料上昇は、最終的にTDAの予算や各施設の運営コストに跳ねる可能性があり、そこは別の問題として注視していく必要がある」と説明し、今回の据え置きが保険料全体の凍結を意味するものではないことを強調した。
■ 中小各社は様子見
一方、そなえ屋などの主要3社に比べ、取扱規模が小さい一部の損害保険会社は、来年度の料率方針をまだ示していない。業界関係者は「準備金の厚みに差がある以上、全社が同じ判断をするとは限らない」とみており、中小各社の方針は今月中にも固まる見通しだ。そなえ屋は「業界全体で契約者の不安を広げないことが大切だと考えている」とコメントした。


