州崎第三住宅、初めて叩き返した住民 翌朝、扉の外に漂着物が
州崎第三住宅の未明の「ノック」をめぐり、1日未明、住民の一人が初めて三回叩き返したことが分かった。翌2日早朝、該当住戸の扉の外に湿った布の包みが置かれているのが見つかり、第三鑑定センターが回収。TDAは当該棟に初めて夜間の立ち入り制限を敷いた。管理組合は「件数の更新は、今回でいったん終える」とした。
■ 「三回」から四日、初めての応答
既報のとおり、州崎第三住宅(5階建て、1977年築)で続く未明の「ノック」通報は、9月30日未明に41件目を数えた際、これまで一定していた「二回ずつ」の音が初めて「三回」に変わっていた。管理組合はこの変化を受け、1日午後に緊急の役員会を開き、従来の「応答しないでください」という全戸文書の方針を維持するかどうかを協議していた。結論が出ないまま迎えた2日未明——実際には1日の深夜から2日にかけての時間帯に、5階の住民の一人(60代、氏名非公表)が、審議中だった方針に反して、聞こえた三回の音に対し、扉越しに三回叩き返した。
■ 「何も起きなかった、はずだった」
この住民は管理組合を通じ、「怖くなかったと言えば嘘になるが、四十件以上も続いて、こちらからは何もしない、というのがかえって落ち着かなくなっていた」と話した。叩き返した直後は、いつもどおり物音も気配もなく静かになり、「何も起きなかった、で終わるはずだった」という。今回、現場近くの別階に詰めていた監視業組合東亰支部の潜行監視員・霧生伊織さんは、既報のとおりこれまで気配・物音とも感知できずにきたが、今回は三回目の音のあと、「空気の動きのようなもの」を一瞬だけ感じたとTDAに報告している。「聞こえないのが仕事です、といつも言ってきましたが、今回のは、聞こえたのではなく、動いた、という感覚に近いものでした」と霧生さんは述べ、断定は避けた。
■ 翌朝、扉の外に湿った布の包み
2日午前6時すぎ、叩き返した住民が自室の扉を開けたところ、外廊下の床に、湿った布で包まれた長さ20センチほどの塊が置かれているのに気づき、管理組合を通じて通報した。防犯カメラ(増設分含む)の映像には、置かれる瞬間も、置いた何者かの姿も記録されていなかった。現場に駆けつけたTDAの初動確認では、周辺の透過指数に変化はなく、建物内外に不審な人の出入りも確認されなかったという。布は確かに湿っていたが、前夜から未明にかけて付近で降水はなく、住民の証言によれば「布はぬるかった。冷たくはなかった」という。
■ 第三鑑定センターが回収、国庫帰属の手続きへ
包みは次元境界管理法に基づき国庫帰属の扱いとなり、2日午前、第三鑑定センターの職員が回収した。中身は布を開封しないまま密閉容器に移され、他の窓漂着物・系統登録物と同様の手順で本鑑定に回される見通し。センターは「開封前の段階であり、現時点で言えることは何もない」とだけコメントしている。既報の第5窓窓漂着物や深川の容器と同じく、鑑定には数カ月を要するとみられる。
■ TDA、当該棟に初の夜間立ち入り制限
TDAは2日、州崎第三住宅の共用部について、午後11時から翌午前5時までの間、居住者以外の立ち入りを制限する措置を初めて実施すると発表した。既報の排除措置とは異なる根拠に基づく行政措置で、担当者は「特定の危険を確認したからではなく、現時点で分からないことが多い状況で、関係者以外の出入りを増やさないための予防的な措置」と説明した。期間は当面1カ月、状況を見て見直すという。管理組合は全戸に説明文を配布し、「これまでどおり、応答するかどうかは各戸の判断に委ねる。ただし、応答した場合は必ず管理組合への報告をお願いしたい」との文言に改めた。
■ 「件数の更新は、今回でいったん終える」
管理組合は2日、これまで続けてきた通報件数の逐次更新について、「今回の件をもって、回数を数えて発表するやり方はいったん終える」との方針を明らかにした。「数えることに意味があるのか、分からなくなってきた。次に何かお伝えできるとすれば、今回のように、はっきりとした動きがあったときだけにしたい」としている。本紙も既報の方針(12-紙面テコ入れ方針)に沿い、今後は件数の更新ではなく、質的な変化があった場合に限って報じる。
■ 正体はなお明かされず
40件を超える通報が続いた末に初めて形を持った今回の出来事だが、警察・TDAとも「何が叩いているのか」「何が置かれたのか」についての見解は従来どおり示していない。迫田佳寿子さん(70、「九霧の会」世話人)は、無関係を承知の上でと前置きしつつ、「こちらから何かをしたら、何かが返ってくる、というのは、この街では珍しい話ではない気がします」と話した。真偽・原因とも、未解決のまま温存される。




