第5窓「剣の国」、札を掲げる人がさらに増える 窓条約では観測データを除外と確認
第5定常窓「剣の国」で14日深夜の開口(約80分)の際、窓の向こうの市場で木札を窓へ掲げる人の数が、既報(5日)の確認時よりさらに増えていたことが15日、次元調査課の発表で分かった。同日発表された窓条約の暫定合意(既報)では、第5窓のような学術観測データは軍事転用禁止の対象外と明確に位置づけられたことも確認された。
■ 掲げる人数、さらに増加
次元調査課は15日、14日深夜から15日未明にかけての第5定常窓「剣の国」の開口(約80分)で、窓の向こうの市場に集まった人々のうち、木札を窓へ掲げる動きを見せた人数が、既報(5日)の3回の開口時の確認数よりさらに増えていたと発表した。担当技官は「今回は市場の広い範囲で、複数の集団がそれぞれ札を掲げていた。偶然の群衆行動という見方では説明しづらい規模になってきている」と述べた。ただし、窓番の日誌によれば、掲げられた札の意匠や掲げ方に大きな変化はなく、「気づいている兆候」という既報の公式見解からの格上げは今回も見送られた。
■ 窓条約、観測データは「対象外」と確認
同日発表された窓条約の暫定合意(既報)をめぐり、TDA局長・火浦誠は15日の定例会見で、第5窓のような定常窓の学術観測データの扱いについて問われ、「窓条約の軍事転用禁止条項は、窓機そのものや定常窓の付帯技術を対象とするものであり、観測によって得られるデータ自体を禁止・制限するものではないと、交渉筋から明確に確認を得ている」と説明した。既報(7日)の協議で、ノルディア連合側から「兆候データの扱いは条約の検証手続きに関わる」との指摘が出ていたが、火浦局長は「データの公開範囲・速度は、条約とは別に、これまでどおり調査課の科学的な判断で決める」と従来の立場を維持した。
■ 「山場はまだこれから」
次元調査課の技官は、既報の「10月第3週、カイエ3世来訪に重ねる」との見通しに触れ、「14日の増加が、そこに向けた積み重ねなのか、それ自体で終わる動きなのかは、まだ判断できない」と慎重な姿勢を崩さない。担当記者の柚木透技官は「市場の人々が、こちらに何かを伝えようとしているように見える場面が増えてきたのは事実だが、見えることと、分かることは違う。焦らず数えていく」と話した。
■ 第1窓の「行列」とは違う手応え
次元調査課は、既報(11日)の第1窓「灯しの街」の灯りの行列・音の記録とは、今回の第5窓の動きは性質が異なると説明する。担当技官は「灯しの街の行列は、向こうの生活の一部のように見える現象で、こちらに向けられたものかどうかは分からない。剣の国の札は、明らかに窓の方向を見て、窓に向けて掲げられている。『気づいている』という言葉を使うかどうかは慎重にしているが、向きという一点だけなら、第1窓より手応えがあるのは事実だ」と話す。この違いを踏まえ、調査課は第5窓を当面、第1窓とは別枠で優先的に観測する体制を維持する方針。
■ 市場の人々、何を伝えたいのかは不明
窓室の記録映像では、札を掲げる人々の表情までは判別できないという。柚木技官は「怒っているように見えるのか、喜んでいるように見えるのか、そこまで言えるだけの解像度はまだ無い。想像で言葉を足したくない」と述べ、断定を避ける姿勢を強調した。灯窓茶房など窓グッズを扱う民間からは早くも「剣の国の札をかたどった商品を考えたい」との相談が次元調査課に寄せられているが、担当者は「商品化の是非を判断する段階ではない」と慎重な対応にとどめている。
■ 窓番の日誌から
15日未明の日誌には「湯呑みの茶が冷めるより先に、札の数を数え終わらないくらいだった」との一文があった。11月の外部有識者検討会(座長・梶浦悦子)の資料には、今回の増加も追加される見通し。







