窓条約、暫定合意へ 軍事転用の明文禁止が決着、同盟優先供与は別途の覚書に
外務省は15日、窓条約交渉について、窓機・定常窓関連技術の軍事転用を明文で禁止する条文で参加国の実務者間に暫定合意が成立したと発表した。既報のとおりアメリアが求めてきた同盟国への優先供与は条約本体には含めず、別途の覚書で扱うことで折り合った。6日の原案提示から9日での決着で、年内の正式調印を目指すという。
■ 「転用禁止」、9日で原案から条文へ
外務省は15日午前、窓条約交渉に参加する実務者間で、窓機及び定常窓付帯技術の軍事転用を禁じる条文について暫定合意が成立したと発表した。既報のとおり6日に日ノ國側代表団長・雨宮悠一(55)が条文形式の原案を手渡してから9日というスピードでの決着となる。外務省筋によると、最終的な条文は原案の骨格をほぼそのまま残し、「いかなる軍事目的への転用も禁止する」との明文に加え、検証手続きとして年1回の参加国間の報告と、要請があれば現地の立入り確認に応じる義務を新たに盛り込んだという。雨宮氏は会見で「原則だけを掲げて終わらせず、確認の仕組みまで言葉にできたことに意味がある」と述べた。
■ 同盟優先供与は「覚書」、付属書疑惑を意識した説明
一方、アメリアが求めてきた同盟国への技術の優先供与については、既報のとおり条約本体には含めず、別途の覚書で定める形で折り合った。外務省は15日、この覚書について「要旨は参加国間で共有し、公表する」としつつ、全文の公開は「関係国の実務的な調整が済むまで見送る」と説明した。既報(11日)の「非公開の付属書」疑惑について問われた報道官は「その疑惑で名前の挙がった文書は存在しない。今回の覚書は、6日の原案提示の時点から公に説明してきた『別枠協議』そのものであり、何ら新しいものではない」と改めて否定した。
主権派に近い衆議院議員・宗像鉄男(58)は本紙の取材に「結局、条約の外側に『覚書』という名の、もう一つの文書が出てきたわけだ。全文は見せない、要旨だけ公表する、というのが、まさに付属書疑惑で疑われていた構図そのものに見える」と皮肉った。これに対し与党「観測を拓く会」の三宅奏太(44)は「覚書という形式自体は、6日の時点から外務省が一貫して説明してきたとおりだ。全文非公開を『疑惑が正しかった証拠』のように言うのは、話をすり替えている」と反論した。外務省は「覚書の存在そのものは最初から公にしてきた。疑惑が指していたのは、それとは別の、交渉過程そのものを隠す文書の有無だった」と、両者の違いを強調している。
■ 公開派・主権派・中間派、それぞれの受け止め
公開派のノルディア連合は、来亰していたシグネ・ルンドクヴィスト議長の帰国後も事務レベルで交渉を続けており、議長名の談話として「転用禁止が明文の形で合意に至ったことを歓迎する。供与の優先順位という、陣営によって利害の異なる論点を分離したからこそ、本体の合意が早まったのだと理解している」とのコメントを発表した。公開派に近いドイチェも同様に歓迎の意を示した一方、「完全禁止と全公開」を求めてきた立場からは「覚書の全文が見えない限り、完全な透明性とは言えない」との留保も付けた。
中間派のアメリアは、優先供与が覚書という形で別途確保されたことを踏まえ「同盟関係の実務上の要請に理解を示してくれたことに感謝する」との在亰大使館談話を出した。主権派の中心・玄洲の大使館は15日、「転用禁止そのものに異を唱えるものではないが、覚書という名の非公開文書が条約の外側に新たに生まれたことは、観測主権の原則から見て看過できない」と慎重な反応を示した。友好国・瑠海王国の在亰公使は「カイエ3世国王も、交渉の進展を歓迎する立場だと理解している」と述べた。
■ 鵜飼市長「産業への配慮、一定は反映された」
既報の産業配慮要請を出していた鵜飼素子市長は15日の定例会見で、「検証手続きが年1回の報告と要請時の立入りという、現実的な範囲に収まったのは、7日の要請が一定反映された結果だと受け止めている。観測関連産業の立地が揺らぐような重さにはならなかった」と評価した一方、「覚書の中身が最終的にどう固まるかは、引き続き注視する」とも述べた。
■ 今後の日程
外務省は、暫定合意を踏まえた条約本文の最終確認を今月中に行い、年内の正式調印を目指す方針を示した。覚書の要旨公表の時期については「本文の調印に合わせて、または先行して行うかは未定」としている。国会では既報の観測データ公開法案の審議とは別の経路で、窓条約の承認手続きが秋の会期中に論点となる見通し。外務省幹部は「転用禁止という土台はできた。ここからは、覚書をどこまで開いて見せられるかという、信頼の積み重ね方の話になる」と語った。










