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科学

深川漂着物、1点を開封 液体の正体は「未解明」のまま

2026年(透暦52年)9月29日 (社会部・真柴湊) English

©東亰新報

第三鑑定センターは29日、8月21日未明に深川2丁目へ漂着した金属容器3点のうち1点を、気密チャンバー内で開封した。液体は既報どおり水に似た性質で、同位体比は既知のいずれの系統とも一致しないという結果にとどまり、容器を傾けても液面の像が追従しない現象の原因は今回も未解明のまま残った。容器内側の刻印については、別の科学面既報「暫定148系統」の金属柱の記号と「形が似ている」との所見が新たに示されたが、センターは関連を断定していない。開封には検疫委員会委員・深川町内会代表(希望者)・センター職員のみが立ち会い、メディア公開はなかった。

■ 発見から39日目の開封

8月21日未明、深川2丁目の路上に漂着した金属容器3点をめぐり、第三鑑定センターは29日、検疫委員会が16日に決定した方針どおり、3点のうち液面非追従現象が最も安定して観測されている1点を気密チャンバー内で開封した。発見から39日目。25日からの気密試験・機材校正、28日の最終リハーサルを経ての本番で、内部気圧の計測、蓋をごくわずかに開けての気体採取、開放度合いの判断という既報の手順どおりに進められた。センターによると、作業は午前10時すぎに始まり、開封の完了までに約4時間を要したという。残る2点は既報のとおり当面保管継続で、今回の作業には一切手をつけていない。

■ 「水に似た液体」、性質は変わらず未解明

開封の結果、容器内には既報どおり水に似た性質の液体が満たされていることが確認された。気体成分の採取・分析では、通常の大気組成から大きく外れる値は検出されなかったという。焦点だった同位体比は、9月16日時点の既知147系統および暫定登録分を含めても、いずれとも一致しない値のままだった。センターの担当者は「新しい系統というより、既知のどれとも違う、という状態が続いているというのが正確な言い方」と述べるにとどめた。X線・音響のいずれの計測でも液面の像が容器の傾きに追従しない現象についても、今回の開封作業中に改めて確認されたが、原因の解明には至らなかった。「機材を疑う段階はとうに終えている。対象そのものの性質による可能性が高いという既報の見立てを、変える材料は今回も出なかった」という。

■ 刻印に新たな符合——「形の近さ」以上は言えない

新たに示されたのは、容器の内側に見つかった刻印に関する所見だ。既報のとおり3点の外側の刻印にはわずかな書体差があったが、今回開封した1点の内側にも別の刻印があることが初めて確認された。センターによると、この内側の刻印は、亀戸六丁目に9月1日夜に漂着し、解読をヒンド連邦の数理解析班へ正式委託中の金属柱(暫定148系統・既報)に刻まれた記号列と、線の運び方に共通する部分があるという。ただし担当者は「似ている、以上のことは言えない。同位体比も由来も異なる2つの漂着物で、たまたま線の形が近いだけかもしれない」と、断定を避けた。第5窓「剣の国」の窓漂着物と第7系統「灯しの街」の札をめぐる既報の扱いと同様、形状の近さだけで系統間のつながりを急ぐ姿勢は今回も取られていない。この刻印の詳細な撮影・採寸は優先的に行われ、ヒンド数理解析班への参考情報として共有される見通し。

■ 立会者の一日

立会人は検疫委員会委員、深川町内会の希望した代表、センター職員に限られ、報道機関の立ち会いはなかった。開封に立ち会った町内会役員の一人は、作業後の取材に「正直、何か大きなことが分かるとは思っていなかったが、それでも自分の目で見ておきたかった。水のような液体としか言いようがない、というのが率直な感想」と話した。既報のとおり開封の是非をめぐって意見が割れていた別の住民は、開封対象が1点にとどまったことについて「残る2点まで一緒に動かされなかったのは、正直ほっとしている」とコメントした。検疫委員会委員長は「今日確認できたことと、確認できなかったことの両方を、きちんと記録に残す。あすからは残る2点の扱いを改めて検討する段取りに入る」と話し、作業そのものを解明の到達点とは位置づけない姿勢を強調した。

■ 学術データは10月上旬、残る2点は保管継続のまま

センターは29日中に、開封の実施と大まかな結果を速報として公表し、同位体比・刻印比較を含む詳細な学術データは10月上旬をめどに改めて公開する方針を示した。残る2点については、今回の結果を踏まえたうえで、検疫委員会が改めて扱いを協議する。センターは「1点を開ければ残り2点について何か言えるようになるかもしれない、と申し上げてきたが、実際には『同じように分からない』という以上のことは言えなかった」としたうえで、「分からないことを分からないまま記録すること自体が、今回の開封の成果だと考えている」と総括した。液面非追従現象の原因、刻印の由来——いずれも、開封を経てなお解明されないまま、深川漂着物をめぐる続報は続く見通しだ。

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