深川漂着液体、約47分周期で粘度が変化 学会発表も「傾き追従せぬ」謎は解けず
第三鑑定センターと湾洋大学は10日、9月29日に開封した深川漂着容器(既報)について、国内観測系学会の秋季大会で共同発表を行った。容器内部の液体の粘度が、観測開始から約47分を単位に強弱を繰り返していることが連続測定で確認されたのが柱。既報の「液面が傾きに追従しない」現象との関連も疑われ始めたが、因果関係の証明にはなお遠く、原因は依然未解明のままだ。
■ 秋季学会で共同発表
第三鑑定センターと湾洋大学は10日、既報の深川漂着容器(8月21日漂着、9月29日開封)について、都内で開かれた国内観測系学会の秋季大会で共同発表を行った。10月2日に続く2度目の学術データ公開で、今回の柱は、容器内部の液体の粘度が時間とともに強弱を繰り返しているという新しい測定結果だった。
■ 47分という数字
開封後、容器は気密チャンバー内に置かれたまま、非接触式のセンサーで継続的に観測されている。センターによると、直接触れずに粘度の変化を追えるよう、チャンバー外側から振動を当ててその戻り方を読む特殊な計測方法を用いているという。約11日分の記録を統計処理した結果、粘度——とろみの強さ——が約47分を単位として強弱を繰り返していることが確認された。弱い(とろみが薄い)時間帯は水に近い流れ方をし、強い時間帯は蜜に近い手応えになるという。
47分という長さ自体に、潮汐や既知の気象周期との明確な対応は見つかっていない。センター担当者は「周期があることは数字の上で言える。ただ、それが偶然の繰り返しではないと言えるかどうかは、まだ別の話だ」と慎重な言い回しを崩さなかった。
■ 「液面」の謎、進展と呼べるかは別
既報どおり、この液体は容器を傾けても液面が水平を保とうとせず、傾きに追従しない奇妙な挙動を見せる。今回の発表では、この「追従しない度合い」が、粘度の強い時間帯にわずかに強まる傾向があるとするデータも示された。ただしセンターは「相関らしきものが見えた、というだけで因果ではない。両方が同じ未知の性質から来ている可能性もあれば、たまたま観測の目が重なって見えているだけの可能性も排除できない」と釘を刺した。
既報の暫定148系統の金属柱に刻まれた記号との関連についても、「線の運び方に共通する部分がある」という従来の所見に変化はなく、「形が似ている、以上のことは言えない」という立場も10日時点で変わっていない。
■ 残る2点、開封の予定なし
8月21日の漂着時に見つかった容器は3点あり、今回の発表の対象はそのうち9月29日に開封した1点のみだ。残る2点は引き続き気密保管されており、センターは「開封の予定は今のところない」と改めて述べた。担当者は「1点を調べるだけでも、分からないことがこれだけ増えている。残り2点を同時に開けて似た現象が重なれば、どちらの容器の性質かという切り分けが今より難しくなる。慎重であるほうが、結局は早い」と説明した。
■ 会場の反応
質疑応答では、出席していた別機関の観測学者が「周期性があるとすれば、何らかの外部刺激に反応している可能性も排除できない。ただ47分という長さは、生物のリズムとしても機械的な周期としても、どちらとも言い切れない半端さがある」と指摘した。別の出席者は「『分からないことが増えた』で終わる発表は、この分野では珍しくない。むしろ、増えた分からなさの輪郭をどれだけ正確に描けているかの方が大事だ」と評した。暫定148系統の解読を続けるヒンド連邦数理解析班(既報・主任アニルダ・ラーオ氏)の関係者からも「記号の桁上がりの規則と、今回の47分という周期に、現時点で数理的な接点は見当たらない」とのコメントが寄せられたという。
会場には一般向けの傍聴席も設けられ、8月の漂着以来ニュースを追ってきたという深川在住の主婦(52)は「最初は怖いと思ったけど、話を聞くたびに、怖さより『知りたい』が強くなってきた」と話した。「47分、と聞くと、つい自分の生活のリズムと比べてしまう。お昼休みより少し長いくらい」と付け加え、会場の一部から小さな笑いが起きたという。
■ 次の公開は未定
全体を学術論文としてまとめる作業は来年以降になる見通しで、次回の公開の日程は未定という。「分かったことより、分からないことの輪郭がはっきりした」という10月2日のコメントを、担当者は10日も改めて口にした。「それでも、輪郭がはっきりすることには意味がある。見えない外側をなぞり続けることが、今の自分たちの仕事だと思っている」




