大島の無免許施術、運営者を書類送検 「温熱の技法」の正体は捜査でも特定できず
城東地区・大島の施設「静寿庭」で無免許の外来系技術の施術を行っていたとされる問題で、警察は24日、運営者の男性(56)を無免許使用の疑いで書類送検したことが25日、分かった。利用客の女性(78)が負った熱傷の原因については、捜査を経てもなお、外来系技術によるものか、単なる器具によるものか特定できていないという。
■ 発覚から11日、書類送検へ
既報(14日)のとおり、城東地区・大島の施設「静寿庭(せいじゅてい)」の運営者の男性(56)は、免許のないまま「温熱の技法」と称する外来系技術の施術を高齢者向けに行っていたとされる。9月、利用客の女性(78)が施術中に左腕に軽度の熱傷を負って入院していたことが14日に判明し、警察が無免許使用の疑いで捜査に着手していた。警察は24日、同容疑で運営者を書類送検したことが25日、関係者への取材で分かった。書類送検は容疑を認否いずれの場合でも行われる手続きで、起訴するかどうかは今後、検察が判断する。
■ 「何を使ったのか」、結局分からないまま
経済産業省外来系技術振興課は既報どおり運営者の免許登録を確認できないとしていたが、捜査が進んでも、施術の実態そのものは解明されなかった。捜査関係者は「運営者本人は『手のひらから出る熱で温めていた』という説明を繰り返しているが、それが外来系技術によるものなのか、何らかの発熱器具を隠し持っていたのかは、現場に残された物証からは判断できなかった」と説明した。経産省の担当者も「免許保有者であれば用途別の登録区分に従って使用機器も届け出る義務がある。今回は区分も届け出も確認できないため、何が使われていたのか外部からは最後まで判断がつかなかった、というのが正直な結論だ」と改めて述べた。
■ 利用客「信じていたから、疑わなかった」
既報の利用客の女性(78)は、本紙の取材に「あの人の手は、本当に温かかった。熱傷を負うまでは、怪しいなんて一度も思わなかった」と振り返った。女性は約1年半、月8万円の会費を払い通っていたという。「腰の痛みが楽になったと思っていたのは、気のせいだったのかもしれない。それでも、あの温かさが何だったのか、今も知りたい気持ちはある」と話した。
■ 消費者庁研究会、高齢者向け無免許施術を論点に
既報どおり、消費者庁研究会(座長・深沢律子)は高齢者を対象にした無免許施術の実態把握を論点に加える方針を示していた。研究会事務局は25日、「静寿庭の件は、体験型の教室とは異なり、高齢者の身体の不調を対象に継続的な施術を行い、実際の健康被害が確認された初めての事例として扱っている。書類送検という一つの区切りを経ても実態が解明されなかったこと自体が、この種の問題の難しさを示している」とコメントした。
■ TDA「発現条件は未解明」、従来見解を繰り返す
TDAは25日の定例会見で、今回の書類送検について問われ、「透過感応・外来系技術のいずれも発現条件・再現条件は未解明であり、免許を持たない者が独自の判断で身体に施す行為に科学的な根拠はない、という既報の見解に変わりはない」と述べた。静寿庭が実際に何らかの技法を用いていたのか、それとも単なる物理的な処置だったのかという問いは、今回の書類送検をもってしても、答えの出ない状態のまま残された。
■ 施設、現在は営業停止
静寿庭は既報の発覚後、事実上の営業停止状態が続いているという。近隣住民の一人は「表の札はまだ出ているが、人の出入りは見なくなった。何があったのか、結局よく分からないまま終わるのかもしれない」と話した。運営者本人への取材は実現していない。真相――静寿庭で実際に何が行われていたのかは、書類送検を経てもなお、未解明のまま残された。
