士道剣技「秋の五番勝負」第2節、東亰が尾張を3対2で下す 水無瀬弦、地元で2戦2勝
刀士の都市対抗戦「秋の五番勝負」第2節が10日、京橋の水無瀬流本部道場で行われ、東亰刀士会が初参戦の尾張刀士会(沢井流)を3対2で下した。水無瀬流の若手・水無瀬弦(22)は地元の道場でこの日も白星を挙げ、開幕戦(既報)に続く2戦2勝。大将戦は鹿目流当主・鹿目千歳(41)が、抜刀せず見切りで勝負を決めた。
■ 尾張、初参戦
秋の五番勝負は刀士の都市対抗戦で、東亰刀士会(鹿目流・水無瀬流の合同)が既報の第1節で北都刀士会(氷室流)を3対2で下して開幕した。第2節は10日、京橋の水無瀬流本部道場で行われ、今季から新たに参戦した尾張刀士会(沢井流)が相手となった。日ノ國刀士会によると、沢井流は尾張で古くから伝わってきた流派で、今季の参戦が都市対抗戦では初めてという。
■ 水無瀬弦、地元で2連勝
第1節で都市対抗デビューを白星で飾った水無瀬流の水無瀬弦(22)は、この日は地元の道場で1番目の試合に出場した。開幕戦では詳細が報じられなかったが、今回は抜刀しての一本勝ち。審判3人の判定を待たずに決まる珍しい展開となり、会場からどよめきが起きた。「自分の道場で、知っている床の感覚で戦えたのは大きかった。ただ、抜いたこと自体は反省材料でもある」と試合後に話した。
2番目・3番目の試合は東亰刀士会と尾張刀士会が1勝1敗で分け合い、4番目の試合は尾張刀士会が制して2対2の五分に持ち込んだ。
■ 大将戦、鹿目千歳が抜かずに決める
勝敗を決める5番目の大将戦には、既報どおり鹿目流当主・鹿目千歳(41)が出場した。鹿目は開幕戦の大将戦でも抜刀せず一本を決めており、この日も刀を抜かずに相手の動きを「見切り」、審判の判定で勝利を収めた。鹿目は試合後、恒例の短い談話で「刀は、抜かなかった回数で評価してください」といつもの言葉を繰り返した。
■ 尾張側の受け止め
初参戦で2対3の惜敗となった尾張刀士会の代表は、「初戦でここまで競れたのは収穫だ。来季以降につながる経験になった」と話した。日ノ國刀士会の担当者は「新しい流派が都市対抗に加わること自体が、この競技の広がりを示している」とコメントした。
■ 次節は来月
東亰刀士会は開幕から2連勝とした。次節の日程・対戦相手は今後発表される見通し。春の大会は3月の予定で、秋の五番勝負全体の最終成績は年内にまとまる見込みだ。
■ 五分の攻防
2番目の試合は東亰刀士会の鹿目流所属選手が制し、3番目は尾張刀士会が返した。いずれも三本のうち際どい判定が続き、審判3人の見切りが分かれる場面もあったという。日ノ國刀士会の立会人は「初参戦の流派とは思えない踏み込みの速さだった。来季以降、もっと注目される存在になるだろう」と沢井流を評した。
■ 水無瀬流本部道場の客入り
この日の試合は水無瀬流が本拠地で主管する初めての都市対抗戦となり、会場の道場には立ち見が出るほどの観客が集まった。道場関係者によると、既報の開幕戦の反響と、地元出身の水無瀬弦への注目が重なった結果という。観客の一人、京橋在住の自営業男性(44)は「水無瀬流の道場に入るのは初めてだったが、まさか抜刀での一本勝ちを生で見られるとは思わなかった。刀士会の試合はもっと地味なものだと思っていたので、印象が変わった」と話した。
■ 鹿目千歳の談話、もう一歩
大将戦を終えた鹿目は、いつもの短い談話に続けて、この日は珍しく一言付け加えた。「抜かないことと、強くないことは違う。水無瀬くんの一本も、今日はそれでよかったと思っている」。若手の抜刀を否定せず、流派の違いをそのまま受け止める言葉に、会場の記者からも小さなざわめきが起きた。





