再保険波及、保険各社が「2年連続なら見直し」 消費者庁研究会が実務聴取
消費者庁の有識者研究会(座長・深沢律子)は15日、既報のブリタン再保険組合(BRU)による窓機関連再保険料率の引き上げ(来年度平均12%)が国内の予報連動型保険に及ぼす影響について、保険各社の実務担当者から説明を聴取した。各社は「今回は準備金で吸収し、家庭向け料率への影響はない」と改めて説明したが、「引き上げが2年連続となれば見直しを検討せざるを得ない」との見通しも示した。
■ 「準備金で吸収」は変わらず
消費者庁の有識者研究会は15日、既報(8日)のとおり、ブリタン再保険組合(BRU)の再保険料率引き上げが国内の予報連動型保険にどこまで波及し得るかを論点に、そなえ屋損害保険など主要3社の実務担当者から説明を聴いた。各社は既報(5日)の「来年度の家庭向け料率は据え置く」との発表内容を改めて確認し、そなえ屋損害保険の担当者は「今回の引き上げ分は各社が準備金を取り崩す形で吸収しており、家庭向けの契約者に直接の負担が及ぶことはない」と説明した。
■ 「2年連続なら、話は変わる」
一方、別の社の担当者は「準備金での吸収には限りがある。来年度も同様の引き上げが続けば、家庭向け料率の見直しを検討せざるを得なくなる」と述べ、既報(8日)で業界関係者が語った見通しを公式な場で改めて認めた形になった。座長の深沢律子氏は「国際再保険市場の変動が、国内の消費者向け料率にどう伝わる構造になっているのかが、今日の聴取でかなり具体的に見えてきた。準備金という『クッション』がどこまで持つのかを、継続的に把握する必要がある」とコメントした。
■ 施設向けは既に値上げ見通し
既報のとおり、家庭向けとは別枠の施設保険については、BRUの引き上げを受けて値上げの見通しが示されている。研究会に出席した業界団体関係者は「施設向けは契約者数が少なく、再保険市況の影響をそのまま反映しやすい。家庭向けとは制度上の性質が異なる」と説明した。研究会は、家庭向け・施設向けの両制度の違いを消費者に分かりやすく説明する資料を次回会合までに作成する方針を決めた。
■ 観測株・TDI先物は冷静
甲斐谷連記者の取材に対し、ある証券アナリストは「今日の聴取結果自体は想定どおりの内容で、観測関連株やTDI先物への目立った反応は出ていない」と話した。もっとも、同日発表された窓条約の暫定合意(既報)についても触れ、「転用禁止が決着した安心感と、再保険料率の先行きへの小さな不安が同時にある一日だった。どちらも極端な反応にはつながらなかったが、両方が重なったときの市場の受け止め方は、まだ見極めが必要だ」と分析した。
■ 消費者団体「分かりやすい説明を」
研究会の委員を務める消費者団体代表の一人は「準備金で吸収という説明自体は理解できるが、一般の契約者からすれば、保険料が変わらないことの裏側でどんな判断が働いているのか、ふだんは見えない。今日のような説明を、研究会の場だけで終わらせず、契約者向けにも分かりやすい形で出してほしい」と要望した。事務局は「次回会合までに、家庭向け・施設向けの違いを含めた説明資料の案を用意する」と応じた。
■ 次回会合は11月
深沢氏は会合後、「事前表示・根拠予報の明示・割増上限の要否という当初の3論点と、今日新たに具体化した再保険市況の波及という論点を、次回会合でどう整理して提言につなげるかが課題だ」と述べた。次回会合は11月の開催を予定している。




