地図公開に街が沸く一方、模倣グッズに注意呼びかけ——消費生活センター
第5窓の地図公開は、羽田沖の観測やぐらと亀戸の第三鑑定センター周辺に、普段より多くの岸見物客を呼んだ。一方、市消費生活センターは3日、話題に便乗した無許可の模倣グッズがネット通販に出回る可能性があるとして、注意を呼びかけた。
■ いつもより多い岸見物
羽田沖の第1定常窓「灯しの街」観測やぐら周辺には、3日午後から夕方にかけて、既報の「岸見物」客がいつもより多く集まった。窓の実物を敷地外から見ることはできないが、観測やぐらの明かりだけでも遠目に眺めようという人の姿が目立った。亀戸の第三鑑定センター周辺でも、地図が解析された建物を外から見ようという見物客が普段より増え、同センターは「敷地内の見学はできない」と改めて周知した。
■ 「向こうも、こちらみたいに生活している」
見物に来た親子連れの一人、会社員の女性(39)は「子どもに、同じ世界がもう一つ見つかったんだよ、と説明するのに苦労した。自分でもまだ飲み込めていない」と笑った。別の見物客の男性(72)は「向こうも、こちらみたいに生活している場所があるというだけで、気持ちが軽くなる。何が起きているか分からないことが多い時代だから」と話した。TDAは見物客の増加について「敷地外からの見学は妨げないが、観測業務の支障にならないよう、立ち入り禁止区域の線引きは変えない」としている。
■ 模倣グッズに注意——消費生活センター
一方、市消費生活センターは3日、第5窓の地図公開に便乗した模倣グッズへの注意を呼びかけた。既報(10月)の「窓グッズ模倣品」問題と同様、「地図柄」をうたう無許可のレプリカ雑貨がネット通販に出回る恐れがあるという。センターの担当者は「本物の窓漂着物は国庫帰属で市場に出ない。『地図の実物デザイン』などとうたう商品は、その時点で無許可の模倣品だと考えてよい」と説明した。次元調査課も「公開した地図の画像そのものの無断使用は、民間利用の許諾ガイドラインが整うまでは認めていない」と改めて注意を促した。
■ 第三鑑定センター、取材対応に追われる
第三鑑定センターの蓑輪誠一・主任鑑定官(48、既報)は3日、問い合わせの電話が普段の数倍に上ったことを明かし、「地図だと分かったことと、記号の意味が分かったことは別だと、何度も説明している。報道が先に進みすぎないよう気をつけている」と話した。窓室で夜番を務める職員の一人も「見物の人が増えるのは悪いことではないが、窓の開閉は制御できないという原則は何も変わっていない。期待が先走りすぎないといいが」と漏らした。
■ 落ち着いた一日の終わり
夜になると見物客の数は落ち着き、観測やぐらの明かりだけが、いつもどおり海に映った。TDAは「今後も模倣品・過熱した憶測には注意しつつ、分かったこと・分かっていないことを丁寧に発表していく」としている。
■ 学校でも話題に
深川北小では、既報(10月24日)の「同じ夢」アンケートを担当する教員の一人が「今日はアンケートとは別件で、子どもたちが地図の話ばかりしていた」と明かした。授業の本題ではないため正式な記録には残らないが、「分からないことが分かったとき、クラス全体がざわつくのを久しぶりに見た」という。市教育委員会は特別な対応は予定していないとしつつ、「次元調査面を読むきっかけになるなら、それ自体は悪いことではない」とコメントした。
■ 記者から
いつもなら「岸見物」という言葉には、どこか物見高さへの皮肉が混じる。だが今日、やぐらの明かりを見に来た人たちの顔つきは、見物というより、何かを確かめに来たように見えた。模倣品への注意という、いつもの社会面らしい地味な但し書きと、地図が重なったという次元調査面の大きな発表が、同じ日の同じ街で起きている——この落差こそが、この街の日常なのだと思う。




