第64系統流出、絞り込まれた作業員への任意聴取始まる
第三鑑定センターの保管棟から革製の小袋(第64系統)が流出した事案で、既報(23日)で入退室の経路が1人に絞り込まれた外部委託作業員への任意の聴取が、27日から警察によって始まったことが28日、分かった。関与の有無はなお確認されておらず、警察は窃盗・器物損壊の両面で慎重に捜査を進めている。
■ 23日の絞り込みから4日
既報(23日)のとおり、第三鑑定センター保管棟からの第64系統(革製の小袋)流出事案では、入退室記録の欠落期間中に出入りが確認できる外部委託作業員が複数人から1人に絞り込まれていた。警察は27日、この作業員に対する任意の聴取を開始した。センターの担当者は「絞り込みはあくまで記録上の在席状況によるもので、関与を断定するものではないという説明は今回も変わらない」と改めて述べた。
■ 「捜査中」以上は明らかにせず
警察は28日の取材に対し、聴取の具体的な内容や回数について「捜査中」として明らかにしなかった。窃盗・器物損壊の両面での捜査方針にも変更はないという。既報(12日発覚)から2週間余りで聴取に至ったことについて、捜査関係者の一人は「記録の精査には時間がかかったが、聴取自体は特別に早いとも遅いとも言えない段階だ」と述べた。
■ 露木要氏「結果が出るまでは、同じことを言い続ける」
業界団体「予備調査協会」会長・露木要(56、既報)は、任意聴取の開始を受けて「聴取が始まったというだけで、何かが決まったわけではない。結果が出るまでは、拙速に特定するなという同じことを言い続けるしかない」とコメントした。既報どおり、露木氏は流出発覚以来一貫して拙速な特定を避けるよう求めている。
■ センターの対応
第三鑑定センターは、委託契約の見直しと保管棟全体の管理体制の改善案について、既報どおり10月末から11月にかけて発表する方針を維持している。センター側は「聴取の進展と、管理体制の見直しは別の作業として並行して進めている」と説明した。センターの担当者は「全棚緊急点検(15日)で確認した約4,200点については、現時点で新たな異常は見つかっていない。今回の件とは別に、定期点検の頻度自体を見直す検討も始めている」と付け加えた。
■ 流出発覚から2週間余りの経緯
既報を振り返ると、第64系統の革製の小袋は2019年の本鑑定を終えたまま棚から消え、越洋の港湾都市のオンライン即売会の出品画像に写っていたことで12日に流出が判明した。15日に約4,200点の全棚緊急点検が行われ、18日には入退室記録に1週間分の欠落が見つかり、23日に外部委託作業員が1人に絞り込まれた。今回の任意聴取は、発覚から数えて2週間余りを経た段取りになる。
■ 業界への波及を懸念する声
予備調査協会の露木氏は、聴取の開始を受けてあわせて「この業界は、鑑定までの待合室だと自分では思っている。だが今回のようなことが続けば、待合室そのものが信用されなくなる」とも述べ、業界全体への信用への影響を改めて懸念した。同協会に加盟する47社のうち、第三鑑定センターとの委託契約を持つ企業は限られるが、露木氏は「直接関係のない会社にまで、問い合わせが増えていると聞いている」と明らかにした。
■ 今後
任意聴取が今後も続くか、どのような結果になるかは、28日時点で見通せない。経路・全容とも未解明のまま温存される。本紙は結果が出た段階で続報する。



