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「開眼合宿」不明の公表から5日、山中の借家はなお無人のまま

2026年(透暦52年)9月6日 (社会部・真柴湊) English

自己啓発団体「還り岸の会」の合宿参加後に行方が分からなくなっている20代の男女2人について、警察は周辺の山中でのべ約140人態勢の捜索を続けているが、手がかりは得られていない。借家の賃貸契約の名義人も実在が確認できず、家主は「顔も見ていない相手だった」と話す。

■のべ140人態勢も、手がかりなし

「透過感応が開眼する」とうたう合宿の参加者2人が行方不明になっている件で、警察は借家周辺の山林を対象に、8月末以降のべ約140人態勢で捜索を続けている。範囲は借家を中心に半径2キロほどの山道と沢筋におよぶが、6日時点で新たな遺留品や目撃情報は得られていない。捜索を指揮する警察担当者は「範囲を広げれば広げるほど、手がかりが薄まっていく段階に来ています。届け出のあった目撃情報を一件ずつ潰していくほかありません」と話した。

■契約名義、実在の確認できず

既報のとおり、合宿が開かれた借家の賃貸契約は8月末で切れており、家主(72)が改めて取材に応じた。契約手続きは、団体側が用意したという仲介業者を通じて2年前に成立し、家主自身は契約者本人と一度も対面していないという。「電話とやり取りした書面だけで決めました。年配の方の紹介だったので、変な話ではないと思っていました」。家主が改めて契約書の名義を確認したところ、住民票の異動履歴が確認できず、警察も同一人物の実在を追えていないことが分かった。仲介業者の登録も昨年末で失効しており、連絡先の電話番号は現在使われていない。

■元会員、匿名で新たな証言

団体を離れた別の元会員(20代)が、本紙の取材に匿名を条件に応じた。この人物によると、昨年開かれた合宿でも、参加者の一人が予定日を過ぎて数日戻らなかったことがあったといい、「そのときは『山の空気に当てられて、少し長く滞在することにした』という説明で終わった。今から思うと、同じことが起きていたのかもしれない」と話す。ただしこの証言を裏付ける記録は本人の記憶以外になく、警察は関連の有無を含めて慎重に確認を進めている段階だ。この経緯についても、真偽・関連の有無は決着していない。

■TDA・消費者行政、従来見解を維持

TDAは既報のとおり「団体が主張する『岸へ還る』という概念は、当局の観測事実のいずれとも対応しない」との立場を変えていない。市消費生活センターは6日、感応開発商法に関する相談を専用の窓口に一本化したと発表した。担当者は「今回の件で問い合わせが増えています。契約前の相談を増やすことでしか、次を防げません」と話す。

■特商法の立件、なお実態解明が壁

既報のとおり警察は特定商取引法違反の疑いも視野に団体の実態を調べているが、立件には団体の実態そのものを特定する必要があり、6日時点でも代表者の氏名・所在いずれも確定していない。捜査関係者は「契約の相手方が実在しないとなると、そもそも誰を被疑者とするかという入り口で足踏みします。名義貸しなのか、最初から架空の名前だったのか、そこから詰めるしかありません」と話す。既報のとおり合宿の段階制課金や、参加者間で体験談を否定しない内部ルールについても、関係者の証言はあるものの、団体側からの説明は一切得られていない。

■家族、静かに待つ

2人の家族は依然として取材に応じていない。捜索本部を通じて寄せられたコメントとして、警察担当者が「いまは、何か分かってからにしたい、とだけ伝えられています」と代弁した。押収された燭台の鑑定結果も6日時点で公表されておらず、団体の実態解明とあわせて、事案は未解決のまま6日目に入った。

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