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枝川の資材置き場で作業員2人負傷 対象を特定できないまま排除措置

2026年(透暦52年)8月31日 (社会部・真柴湊) English

30日午後11時ごろ、枝川の資材置き場で夜間作業中の男性2人が負傷し、1人が重傷となった。現場の痕跡から、TDA生物管理課は漂着生物による接触事故の可能性が高いとみて、警察と合同で排除措置を開始した。対象の姿は確認されておらず、置き場を含む一帯は封鎖されている。

■音が先だった

同課によると、2人は積み上げた資材の間を点検中だった。作業は3人一組で、1人は入り口の詰め所に残っていた。負傷したのは40代と50代の男性で、40代の男性が腕と胸に重傷を負い、市内の病院に入院している。もう1人は軽傷で、当夜のうちに帰宅した。通報は午後11時8分。

詰め所にいた同僚の男性は「音が先でした」と話す。「資材が崩れる音だと思って振り向いたら、2人とも倒れていた。何かが積み荷の陰を動いたように見えたけれど、暗くて分かりません。走って行こうとしたら、倒れている方から『来るな』と言われました」

負傷した2人はいずれも「姿は見ていない」と説明しているという。置き場の照明は入り口付近の2基のみで、奥の区画は作業用の投光器を持ち込んで点検する運用だった。

置き場を管理する建設資材会社によると、夜間点検は資材の荷崩れと盗難の確認のために毎晩行われてきた。会社は当面、夜間点検を取りやめ、入り口に警備を1人置く。担当者は「30年やってきて、夜に何かがいた話は一度もありません。うちは、そういう場所ではなかったんです」と話した。

■一致しない痕跡

現場には、木材と樹脂被覆の資材に残るかじり跡と、地面が掘り返された痕跡が複数残っていた。かじり跡は地上約40センチから1メートルの高さに集中し、掘り返しは砕石が20センチ前後の深さでめくれていたという。

同課は、いずれも既知の特定漂着種の痕跡と一致しないとして、「種類・個体数とも確認できていない」と説明した。付着物と体液の分析を急いでいるが、結果には数日かかる見通しだ。排除措置は対象を特定できるまで継続するという。

同課は30日未明にも、湾岸の倉庫街で警備員が襲われた事案(既報)で夜間の排除措置を実施している。二つの事案の関連について、同課は「距離は約3キロ。関連は現時点で不明で、あるともないとも言えない」とした。同じ日に2件の排除措置を並行して行うのは、制度化以来初めてだ。

■市道400メートル、封鎖

封鎖は運河沿いの市道約400メートルに及び、夜間の通行は当面規制される。区は迂回路の案内板を9カ所に設置し、路線バス1系統が経路を変更した。

周辺の事業所には、日没後の単独作業を控えるよう文書で要請が出た。要請文はA4で1枚。作業前の点呼、2人以上での行動、投光器の常時携行が並び、末尾には、こうある。「異音を確認した場合は、確認に向かわず、その場を離れてください」

要請文を受け取った運送会社の男性(52)は、深夜の配車待ちにいつも停めていた路肩が、テープの内側になったと話した。「あそこは静かで、仮眠にちょうどよかった。今は、静かなのが少し嫌ですね」。近くの弁当店は、深夜の営業を当面取りやめた。「夜勤の分をまとめて作っていたので、うちの売り上げの三割です。でも、うちの子が配達に出る時間なので」と店主の女性(48)は言う。

封鎖区域は住宅地とは運河を挟んで向かい合う。区教育委員会は、封鎖端から約600メートルの都立枝川高校など2校に対し、当面の間、部活動の下校時刻を1時間繰り上げるよう通知した。同校は9月5日開幕の学生壁上競走の秋予選に初出場する予定で、主将は「練習は朝に回します。まあ、朝の壁のほうが乾いているので」と話した。

■「継続する」

排除措置は、危険性が確認された特定漂着種に対してTDA生物管理課と警察が合同で行う対応の行政用語で、日中の実施が原則とされる。今回は運用規程の、人身被害が現に発生し、対象の移動により被害拡大の恐れがある場合、という規定を適用した。

封鎖の解除時期は未定。同課の担当者は31日午前、現場前で報道陣に「対象の姿は、まだ誰も見ていません」と述べた。見通しを問われると、それには答えず、「継続します」とだけ言った。

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