「開眼合宿」不明2人、布片は「量産品と一致」 本人のものと断定できず
自己啓発団体「還り岸の会」の合宿参加後に行方不明となっている20代男女2人について、既報(16日・17日)で見つかった布片の繊維組成分析の結果が24日、まとまった。色・織り方とも一般に流通する量産品の薄手上着の生地と一致したが、同じ型の製品は広く販売されており、行方不明者本人の所持品と断定する決め手にはならないという。警察は沢筋の捜索を規模を縮小しつつ継続する方針を示した。
■ 鑑定結果、「一致はするが、特定はできない」
警察によると、既報(16日)で紅葉狩りの登山客が発見した布片について、県外の鑑定機関が進めていた繊維組成の分析結果が24日、まとまった。色・織り方・繊維の配合比とも、行方不明者の一人が合宿出発時に着ていたとされる薄手の上着と同じ種類の生地と一致したが、鑑定担当者は「この生地は数年前から複数の量販店で広く取り扱われている量産品で、個体を識別できる特徴(縫い目の癖、名前の記載など)は確認できなかった。生地の種類が一致したというだけで、本人の所持品と断定することはできない」と説明した。既報どおり、警察も「酷似しているとは言えるが、同一のものと断定する段階ではない」との立場を維持している。
■ 「振り出しに戻ったわけではない」
既報(17日)の発見から1週間が経ち、一定の進展を期待する声もあったが、今回の結果は「決定的な手がかりではなかった」という受け止めにとどまる。捜索担当者は「それでも、合宿参加者が実際に通った可能性のある沢筋で、該当する種類の生地が見つかったという事実自体は残る。振り出しに戻ったわけではない」と話した。発見場所が借家跡から下流約600メートルという位置関係についても、増水時に流された可能性を含めてなお検証中だという。
■ 捜索、規模を縮小して継続
警察は24日、紅葉の時期を終えつつある状況を踏まえ、週末ごとに行っていた沢筋周辺の捜索を、今後は隔週程度の頻度に縮小しつつ継続する方針を示した。既報のべ約140人態勢から大きく絞られる形だが、担当者は「打ち切るわけではない。山道の積雪前にもう一度、範囲を確認しておきたい」と述べた。近隣の登山道沿いでの聞き込みは、紅葉シーズンの登山客の往来が落ち着くまで続けるという。
■ 代表の行方、なお不明
既報どおり、合宿を開いた団体「還り岸の会」の代表を名乗っていた人物の氏名・所在は依然確定していない。5年前に別の名称で健康商法を扱う団体を主宰していた疑いについても、裏付け作業が続いている段階にとどまる。捜査関係者は「布片の件とは別に、代表の特定作業も並行して進めている」としたが、具体的な進捗は明らかにしなかった。
■ 既報の燭台、鑑定は依然継続中
現場に残されていた、窓の数だけ並んでいたとされる燭台(既報)の鑑定結果も、今回まとめて公表されることはなかった。警察は「複数の鑑定を並行して進めており、結果がそろい次第、まとめて説明したい」との既報どおりの説明を繰り返した。
■ 家族会「期待しすぎず、待つしかない」
行方不明者の家族の一人は取材に「布が見つかったと聞いたときは期待したが、結局はっきりしないと言われると、やはりそう簡単ではないのだと思い直す。期待しすぎず、待つしかない」と静かに話した。既報の消費生活センターの相談窓口には、今回の鑑定結果の報道後、新規の相談が数件寄せられているという。2人の安否、団体代表の実態とも、未解決のまま残された。



