窓条約「越年」に観測株は安堵と警戒 八谷計器は下げ止まり、精密光学は続伸
窓条約の実務協議が合意に至らず、来月ヘルヴェティアでの多国間協議に持ち越されたことを受け、東亰取引所の観測関連株は11日、前日までの乱高下からやや落ち着いた。既報の八谷計器は下げ止まり小幅高、東亰精密光学は続伸した。市場筋は「悪材料が確定しなかっただけで、不確実性は消えていない」と冷静な見方を崩さない。
■「悪い結論が出なかった」ことへの安堵
10日に4%超下落した八谷計器は11日、朝方は続落して始まったものの、窓条約協議が「合意に至らず、来月に持ち越し」と伝わった午後から買いが入り、前日比で小幅高に転じて引けた。証券会社のアナリストは「同盟国への優先供与という、業界が最も警戒していた展開が、少なくとも今回は確定しなかった。悪材料が出なかったこと自体が安心材料になった」と説明する。窓条約の内容次第では技術移転の範囲や国内メーカーの立ち位置が大きく変わりかねないだけに、市場は「決まらなかったこと」を前向きに解釈した格好だ。
■東亰精密光学、続伸
一方、ドイチェ連邦製部品への依存を懸念する業界内で代替調達先の筆頭候補と目されてきた新興の東亰精密光学は、10日のストップ高に続き11日も買いを集め、続伸した。同社株は今週、窓条約報道をきっかけに急伸しているが、実際の量産体制や納入実績はまだ乏しく、証券各社は「国産化への期待が先行している。実需が追いつくかは別問題」と過熱への注意を重ねて呼びかけている。
■星洲のTDI先物、小幅に反応
東亰漂着物指数(TDI)の先物を取引する星洲取引所でも、11日は小幅な値動きが見られた。協議の先送りを「当面のリスクの後退」と捉える向きがある一方、来月のヘルヴェティア協議でノルディア連合など公開派の主張が強まれば、観測データの扱いをめぐる不確実性がむしろ増すとの見方もあり、方向感は定まっていない。星洲の現地筋は「多国間になった分、次の会合の結果はより読みにくくなった」と話す。
■「指数相場」の主役、しばらくは政治
08月末以来、観測機器・損保・鑑定関連の銘柄に資金が集まる「指数相場」は、透過指数そのものの動きよりも、窓条約交渉という政治日程に振らされる展開が続いている。証券各社は改めて「予報と業績は別物」「条約と業績も別物」という基本を投資家に呼びかけており、来月のヘルヴェティア協議まで、観測関連株は政治日程をにらんだ値動きが続きそうだ。
