窓条約報道に観測株が乱高下 八谷計器続落、光学国産化に思惑買い
「窓条約」交渉の報道を受け、東亰取引所で観測関連株(いわゆる指数相場銘柄)が10日、乱高下した。既報の八谷計器は前日比4%超下落した一方、光学部品の国産化期待から新興の東亰精密光学に買いが集まった。ドイチェ連邦の部品供給をめぐる非公式な意向表明が、なお市場の重荷になっている。
■八谷計器、続落
既報のとおり「指数相場」と呼ばれるようになって久しい観測機器関連株の中でも代表格とされる八谷計器の株価は10日、前日比4.3%安で取引を終えた。上場来高値を更新した8月末以来の下落率としては最大という。証券会社の担当者は「窓条約が同盟国への技術供与を義務づける形でまとまれば、国内メーカーの優位性が薄まるという見方が広がった」と説明する。
■東亰精密光学に買い
一方で買いを集めたのは、精密光学部品を手がける新興メーカー・東亰精密光学だった。同社株は10日、一時ストップ高となる場面もあった。既報のとおり定常窓の窓機にはドイチェ連邦製の精密光学部品が不可欠とされてきたが、ドイチェが「軍事転用に道を開く条約には部品を供給しない」との非公式な意向を示しているとされることから、国内での代替調達を検討する動きが業界内にあるという。ある業界関係者は匿名で「うちも含め、複数社がドイチェ以外の調達先を探り始めている。東亰精密光学はその筆頭候補という見方が広がっている」と明かした。同社は取材に対し「特定の取引先について現時点でお答えできることはない」とコメントした。
■ドイチェの影
ドイチェ連邦は窓機の精密光学部品の主要供給国で、既報のとおり日ノ國の窓機はドイチェの部品と台瀛の半導体なしには作れないとされる。9日の実務協議でも、日ノ國側からドイチェの意向について改めて説明を求める場面があったと報じられており、正式な立場表明はないまま「非公式な意向」という不透明な状態が続いている。市場関係者の一人は「公式な発表がない分、憶測で株価が動きやすい。悪材料も好材料も、まだ確認されたものではない」と冷静な見方を示した。
■星洲のTDI先物も動く
既報の東亰漂着物指数(TDI、星洲の取引所で先物取引)も10日、やや荒い値動きを見せた。TDIは透過指数と保険料率の連動を映す指標として知られるが、今回は窓条約報道そのものが材料となった珍しいケースだという。星洲市場筋は「TDIが観測産業の政策リスクを直接映すのは初めてに近い。市場の側も、この種のニュースへの値付けにまだ慣れていない」と話した。
■識者の見方
東亰物流総研とは別の民間調査機関のアナリストは「窓条約は日ノ國の観測産業にとって、供与すれば市場を失い、供与しなければ同盟国との摩擦を抱えるという、どちらに転んでも痛みを伴う話だ。株価が乱高下するのは当然」と分析する。もっとも「協議はあす11日が最終日とされるが、まとまらない可能性も高い。長期化するなら、市場は一喜一憂を続けることになる」との見方も示した。
■当面の焦点
東亰取引所は10日、特段の注意喚起は出していないが、関係者によると観測関連株の値動きを個別に注視しているという。市場は11日の実務協議の行方と、ドイチェからの正式な意思表示の有無を当面の焦点として見ている。甲斐谷連記者は「数字は正直だ。決まっていないことが、いちばん株価を揺らす」と結んだ。
