「灯しびと」主演に新人・望月陽菜さん 灯火アニメーション、来春放送へ弾み
灯火アニメーションは11日、来春放送予定の新作アニメ「灯しびと」の主人公役に新人声優・望月陽菜さん(24)を起用すると発表した。既報のとおり本紙の次元調査面の記事が企画の着想源となった作品で、この日は台本の初読み合わせが報道陣に公開された。
■新人抜てき、経験は舞台中心
灯火アニメーションは11日、京橋の本社で会見を開き、来春放送の新作「灯しびと」(既報)の主人公役に望月陽菜さん(24)を起用すると発表した。望月さんはこれまで小劇場の舞台を中心に活動し、アニメの主演は今回が初めて。呉羽監督は「オーディションで聞いた声に、灯りをともす手つきの静けさがそのまま乗っていた。経験の多さより、この声しかないと思えるかどうかで選んだ」と起用理由を説明した。
■役柄は「灯りを絶やさない少年」
主人公は、第7系統「灯しの街」を下敷きにした架空都市で、灯りをともす仕事を代々受け継ぐ少年。望月さんは女性だが、少年役への起用について「性別より、灯りに対する構え方が近いかどうかを見てもらえたのだと受け止めている」と話した。会見に同席したプロデューサーは「観測資料に出てくる『式』の所作を、まず声だけで説得力を持たせられるかどうかが今回のキャスティングの核心だった」と補足した。
■初読み合わせを公開
この日は台本の初読み合わせが報道陣に公開された。望月さんは冒頭、灯りをともす所作を口上で説明する場面を数回読み直し、監督から「もう少し、手順を思い出しながら喋る速さで」と指示を受ける場面もあった。望月さんは休憩中の取材に「観測資料を読み込んだが、実際にどんな暮らしなのかは誰にも分からないという前提が、逆に自由にさせてくれた。分からないことを、分かったふりで演じないようにとだけ心がけている」と話した。呉羽監督が既報で語った制作方針――「分からないことを、分かったふりで描かない」――と同じ言葉を、望月さんも自分の言葉として口にした形だ。
■戸田輪記者の記事が着想源に
既報のとおり、本作の企画は本紙・次元調査面の記事が着想源の一つになっている。呉羽監督は会見で改めて「窓番の日誌の一節『向こうの朝を見ている』が、企画書の最初の1行になった」と振り返り、「望月さんの声を聞いたとき、あの1行がようやく人の声になった気がした」と語った。次元調査担当の戸田輪記者は「自分の記事から生まれた台詞を、本物の声優が読むのを聞くのは不思議な気分だった。望月さんにも、いつか窓番たちの話を直接聞いてほしい」とコメントした。
■TDA、引き続き公開資料の範囲内で
TDA次元調査課は既報のとおり、公開済みの観測資料の使用を許可している。今回のキャスティング発表についても事前相談を受けたといい、担当者は「作品そのものへのコメントは控えるが、公開の範囲を超えた使用がないことは確認済み」とした。
■主題歌はなお未定、続報へ
主題歌の担当は既報のとおりまだ決まっていない。プロデューサーは「望月さんの声の質感が固まった今、主題歌の方向性も詰めやすくなった。近く発表できると思う」と話した。望月さんは会見の最後に「小劇場の舞台とは声の届け方がまるで違い、まだ手探りだが、この作品が誰かにとっての『分からないものを楽しむ』きっかけになれば」と抱負を語った。放送は来春、TCT土曜夕方枠、全12話の予定。
