窓条約、実務協議「合意に至らず」 来月、ヘルヴェティアで多国間協議へ
定常窓技術の移転条件を定める「窓条約」の実務協議が11日、最終日を迎え、日ノ國とアメリア合衆国は合意に至らないまま協議を終えた。アメリア代表団は同日夜に離日する。次回はヘルヴェティアの国際次元境界機構(IDBO)本部で、公開派のノルディア連合なども加えた多国間協議として来月に開かれる。
■最終日、歩み寄りなく
9日に来亰したアメリア合衆国代表団と日ノ國政府の実務協議は、11日の最終日も歩み寄りを見せないまま終わった。アメリアは同盟国への定常窓技術の優先供与を求め続け、日ノ國側は「まずは国内での議論を整理する必要がある」との立場を崩さなかった。外務省筋によれば、この日は主に前日までの論点の再確認に時間が割かれ、新たな文言の応酬はほとんどなかったという。代表団は同日夜、成果に関する共同発表を行わずに離日する予定だ。
■板挟みの構図は変わらず
窓条約をめぐる立場の違いは既報のとおりで、変わっていない。アメリアは「同盟国への優先供与」を軸に交渉を進める一方、公開派の旗手であるノルディア連合は完全公開と軍事転用の全面禁止を求め、精密光学部品で日ノ國に食い込むドイチェ連邦もこれに同調する構えを崩していない。日ノ國政府の担当者は取材に「世論は公開に理解があり、産業界は市場を、同盟の側は安全保障を見ている。三つを同時に満たす文案は、まだ見つかっていません」と述べた。国会では、ノルディアの完全公開原則を国内法化する観測データ公開法案の審議が続いており、与党内の意見の割れも解消していない。
■次回はヘルヴェティア、多国間へ
外務省は11日、次回協議を来月、ヘルヴェティア連邦ジェネーバ湖畔の国際次元境界機構(IDBO)本部で、多国間形式に切り替えて開くと発表した。アメリアに加え、ノルディア連合、ドイチェ連邦が正式参加し、渭水協定で部分共有の関係にある玄洲がオブザーバーとして加わる可能性があるという。二国間協議が行き詰まったことで、より多くの立場を一つの席に集める道を選んだ格好だが、参加国が増えれば意見の対立点も増えることになり、交渉筋の一人は「話が早くまとまるとは誰も思っていない」と話した。
■窓外交、秋の国会の焦点に
今回の協議の行方は、秋の通常国会で「窓外交」として取り上げられる見通しだ。既報のとおり日ノ國は公開寄りの中間的な立場を取っており、同盟のアメリアとの関係、最大の貿易相手である玄洲との観測データをめぐる緊張、そして観測機器・保険といった国内産業の利害が、政府内でも綱引きを続けている。10日にはアメリア代表団が羽田沖の第1定常窓を特別視察したが、窓は一度も開かず「灯しの街」を見ることはなかった(既報)。外務省幹部は「見せられなかったことに、意味を持たせないでほしい」と話したが、交渉の停滞と重なったこの巡り合わせに、与野党双方から皮肉交じりの声も出ている。
■産業界の視線
観測機器・精密光学関連の銘柄は、条約交渉の行方に敏感な値動きを続けている(別項既報)。窓機部品の3分の1を供給する台瀛など技術パートナー国の動向も無視できず、経済界からは「政治の綱引きが長引くほど、投資判断がしにくくなる」との声が出ている。政府は「結論を急ぐことが目的ではない」としているが、来月のヘルヴェティア協議まで、この綱引きは続くことになる。
