窓条約協議、代表団は11月2日に出発 覚書の全文公開が最後の論点
外務省は30日、既報(27日)で発表した窓条約の政府間協議(11月上旬・ヘルヴェティア・ジェネーバ)に向け、団長・雨宮悠一審議官(55)ら代表団の出発日を11月2日に確定したと発表した。軍事転用の明文禁止は既に決着しているが、アメリアが求める同盟国優先供与の覚書について、全文を公開するかどうかが最後まで残る最大の論点となる。主権派・宗像鉄男(58)は代表団への技術顧問参加(既報)にも改めて慎重な見方を示した。
■ 出発は11月2日、滞在は1週間程度
外務省によると、窓条約の政府間協議に向かう代表団は11月2日午前、羽田空路からヘルヴェティア(ジェネーバ、国際次元境界機構本部所在地)へ出発する。協議の具体的な開始日は現地到着後に先方と最終調整するが、滞在は1週間程度を見込んでいるという。団長は既報どおり雨宮悠一・外務省国際協力局審議官(55)で、既報(27日)の東亰精密光学の国際事業担当幹部も技術顧問として同行する。
■ 決着済みの点と、残る一点
透過条約(1988)以来の課題だった軍事転用の明文禁止は、既報(10/21)のとおり既に決着している。残る最大の論点は、アメリアが求める「同盟国への優先供与」を扱う覚書について、全文を公開するか、要旨公開にとどめるかという一点だ。ノルディア連合・ドイチェなど公開派は全文公開を求め、アメリアは「技術の性質上、全文公開は同盟の信頼を損なう」と非公開の一部維持を求めている。日ノ國政府は既報どおり板挟みの立場を維持している。
■ 宗像鉄男「結局、名前を変えた付属書」
主権派の論客・宗像鉄男(58、既報)は30日、改めて「全文公開か要旨公開かという対立そのものが、結局は『付属書』という言葉を『覚書』に変えただけだという私の指摘を裏づけている」と述べた。外務省は既報どおり非公開の付属書そのものの存在を否定しているが、宗像は「存在を否定することと、覚書の内容を全部見せることは別の話だ」と矛先を変えていない。
■ 技術顧問の参加、賛否両論
既報(27日)で初めて代表団に加わった東亰精密光学の国際事業担当幹部の同行についても、宗像は「産業界の代表が外交の現場に近づくこと自体に慎重であるべきだ」と改めて述べた。一方、外務省筋は「窓機部品の供給は民間の契約だが、覚書の技術的な範囲を正確に説明できる人物が現場にいることは、交渉の精度を上げる」と説明する。東亰精密光学の広報担当者は「技術的な助言の範囲に徹する。契約交渉とは別の役割だと理解している」とコメントした。
■ 会期と重なる国内審議
外務省は、窓条約協議の時期が既報(28日)の観測データ公開法案の国会審議入り(11月2日・衆院本会議趣旨説明)とほぼ同日になることを改めて認めた。両者は制度上別筋だが、国会関係者の一人は「同じ週に『公開』をめぐる話が国内と国外で同時に動くのは、外から見れば一つの流れに見えるだろう」と話す。
■ 出発前の最終準備
既報(10/27)の代表団構成発表から出発日確定まで約3日。外務省職員によると、この間、技術顧問として加わる東亰精密光学の国際事業担当幹部への同席範囲のすり合わせに時間がかかったという。「民間人が交渉の席にどこまで同席できるかは前例がなく、覚書本体の議論には同席させない、技術的な質疑にのみ同席するという線引きを固めるのに調整が必要だった」(外務省筋)。雨宮審議官は30日、出発を控えた代表団の最終打ち合わせで「同盟国優先供与という言葉の重さを、現地で取り違えられないように説明する準備に力を入れている」と述べた。
■ 今後
代表団は11月2日に出発し、現地での協議開始後、進捗は随時発表される。早ければ12月上旬の調印式が視野にあるが、覚書の扱いが最後まで決まらない可能性も残る。真偽・全文の扱いは協議の結果が出るまで未解明のまま温存される。


