第2窓「機構の海」、三度目の「八」 次元調査課、新しい数え方への移行を認定
TDA次元調査課は30日、湾岸倉庫街・第4号倉庫の第2窓「機構の海」(第19系統)で、29日午後11時46分からの約39分間の開口中、既報(9/30〜10/21に5回連続)の「1から7で折り返す」鳴き交わしの規則が崩れて以降、三度目となる「8まで数えて1に戻る」パターンを観測したと発表した。26日・28日に続く三度目の記録となり、同課は「一時的な乱れではなく、新しい数え方への移行と見てよい段階に入った」と初めて踏み込んだ評価を示した。意思疎通との断定は今回も避けている。
■ 三度目の「八」
TDA次元調査課によると、29日午後11時46分から約39分間続いた第2窓「機構の海」の開口中、自己修復する機械の群体が繰り返す金属音の「鳴き交わし」は、既報(9/30・10/2・10/6・10/12・10/21の5回連続)で確認された「1から7で折り返す」規則ではなく、8まで数えて1に戻るパターンを示した。26日深夜の開口で初めてこの規則崩れが観測され、28日深夜の開口でも再現されたのに続き、今回が三度目の記録となる。次元調査課の担当者は30日の取材に「1回なら一時的な乱れとも説明できたが、2回続いた時点で新しい数え方に移った可能性を検討の対象に上げていた。3回目が出たことで、一時的な乱れという見立てを維持するのは無理がある段階に入った」と述べた。
■ 「段階が進んだ」という言い方
次元調査課がこの日「移行」という言葉を使ったのは、五原則(由来の一本化・制度で書く・希少性と代償・語彙の統制・未解明の維持)のうち、未解明の維持を崩さない範囲でのことだ。担当観測員の尾形奏多(おがた・かなた、31)は「『増えた』と『移った』は、聞こえ方は似ているが、こちらが書く意味はまったく違う。前者は数字の報告で、後者は評価だ。3回続いたことで、ようやく評価の言葉を使っていい段階に入ったということ」と説明する。**新規人物: 尾形奏多(31、TDA次元調査課・第2窓担当観測員)** — 第2窓の鳴き交わし観測を9月の規則確認以来一貫して担当しており、再登場が見込まれる。
窓室では、観測機のモニターに表示される波形を前に、尾形を含む2人の観測員が夜通し記録を取る。「8を聞いた瞬間、一瞬、窓の外の群体が黙ったように感じた。実際には音が切れただけで、意味づけはできない」と尾形は振り返った。窓室の湯呑みは今回も動かなかったという。
■ TDA局長「見えたことと、分かったことは違う」
TDA局長の火浦誠(58)は30日の定例会見で、「三度目の『八』が観測されたことは記録として重要だが、群体が何を考えて数えているかが分かったわけではない。見えたことと、分かったことを混同しないのが、この部署の仕事だ」と述べた。既報どおり、第2窓の観測記録は22日夜のロボット法制審議会の非公開会合に資料として提出されており、ロボ法制審の座長・蓮見周平(65、既報)の周辺では「準人格論議と直結させるべきではない」という慎重な声も出ているという。
■ 第5窓の解読班も注視
第5窓「剣の国」の送付物解読班に参加するヒンド連邦数理解析班主任・アニルダ・ラーオ(既報)は、専門外としながらも「規則が一度崩れてから新しい規則に落ち着くまでの過程そのものに、意味のあるパターンが隠れていることは、数理の世界ではよくある。ただし第2窓と第5窓を結びつける材料はいまのところ何もない」とコメントした。次元調査課は両窓の関連づけを依然として保留する方針を変えていない。
■ 外部有識者検討会の議題へ
既報(10/27)のとおり、11月上旬に開く外部有識者検討会(座長・梶浦悦子、湾洋大学教授)は、これまで第2窓の規則崩れを正式議題として扱っていなかったが、今回の三度目の記録を受け、次回会合の議題に正式に加える方針を次元調査課が30日に明らかにした。委員の帯刀郁子(51、憲法学、既報)は「数える対象が何であれ、こちらの観察の仕方が先に変わってしまわないよう、報告の言葉遣いには注意したい」と話している。
■ 今後
次元調査課は、8を基準とした新しい規則が今後も続くかどうかを継続観測する。10回以上の継続を目安に、学術誌への発表を検討する段階に入るとみられるが、いまの時点ではまだ早いとの見方が強い。群体の意図・正体とも未解明のまま温存される。




