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揺らぎ・観測

臨時観測点、設営完了 大潮集中観測はあす5日から

2026年(透暦52年)9月4日 (経済部・甲斐谷連) English

TDA予報課が湾岸部で計画する大潮集中観測の準備が4日、大筋で完了した。臨時観測点2カ所と移動観測車2台を岸壁沿いに配置し、5日午前6時から7日夕方まで実施する。湾洋大学の潮汐相関説を初めて本格検証する試みで、最終日は漂着記念日と重なる。

■岸壁沿いに機材が並んだ

TDA予報課は4日、9月1日に既報の大潮集中観測に向けた機材の設営を大筋で終えた。湾岸部の岸壁2カ所に臨時観測点を設けたほか、移動観測車2台をそれぞれ潮見・深川の岸壁沿いに配置し、既存の常設観測網と合わせて計測点を平時のほぼ2倍に増やした。記者が訪れた潮見の観測点では、技官2人がセンサーマストの水平を確認しながらケーブルを固定する作業を続けていた。担当技官は「風で多少揺れても数値に影響が出ない範囲までは追い込みました。あとは明日の朝、通電確認をするだけです」と話した。

観測の目的は、湾洋大学の海洋物理学者・浦戸明日香が指摘した透過指数と潮汐の相関、いわゆる潮汐相関説の初めての本格検証にある。浦戸はこれまでの断片的な観測データから、大潮の前後で湾岸部の指数がわずかに上振れする傾向を見出しており、9月5〜7日の大潮期間に合わせて観測密度を上げることで、偶然かどうかを見極めたい考えだ。浦戸は「読めることと、分かることは別です。ただ、読まずに分かることは、絶対にありません」と、既報のとおりの慎重な言い回しで取材に応じた。

■「式典とは無関係の、暦の偶然です」

観測期間の最終日にあたる7日は、1975年の集団漂着を悼み祝う漂着記念日と重なる。会場となる岸浜公園は観測点から至近距離にあり、式典の警備・交通規制と観測活動が同じ岸壁沿いで並行することになる。TDA予報課はこの点について「大潮の周期から機械的に日程を決めており、式典とは無関係の、暦の偶然です」とのコメントを重ねて示した。式典の運営を担う市民協働課とは事前に動線調整を済ませており、観測車の駐機位置は式典の来場者導線から離れた区画に限定するという。

観測に用いるセンサーは、既報の九霧観測記録再解析計画で使われている機材とは別系統で、リアルタイム性を重視した簡易型だという。TDAと湾洋大学が共同で進めるこの再解析計画は磁気テープのデジタル化を扱う過去データの分析であり、今回の大潮集中観測とは目的も手法も異なる。TDA担当者は「同じ時期に湾岸で2つの調査が動いているので混同されがちですが、一方は23年前の記録を読み直す作業、もう一方はこれから3日間のリアルタイム観測です」と説明した。

■指数上振れへの備え、割増批判も継続

観測期間中は湾岸部を中心に透過指数の上振れが見込まれ、TDA予報課は4日朝の発表で、5〜7日の湾岸部の指数を平年より高めに見積もった週間予報を公表した。既報のとおり、そなえ屋損害保険など予報連動型の保険各社はこの週間予報を踏まえ、湾岸沿岸部の日割り保険料を平常時の1.5〜1.8倍とする料率を先に公表しており、記念日週の値上げへの批判は市消費生活センターへの問い合わせという形でなお続いている。TDA予報課は保険料率について「当課は指数の予測を発表する立場であり、料率の決定には関与していません」と従来の立場を繰り返した。

観測結果は速報値も含めて期間中には公表されない方針で、TDA担当者は「途中経過を小出しにすると、暦との関係を過剰に読み取られかねません。まとめて出す方が誠実だと考えています」と話す。潮汐相関説が支持されるにせよ、されないにせよ、結果の公表は早くても今月下旬になる見通しだ。

■湾岸モノレールへの影響は限定的

観測車の配置に伴い、湾岸モノレール沿線の一部区間で作業車両の出入りが増えるが、運行への直接的な影響は「基本的にない」とTDA・鉄道会社双方が説明している。ただし既報のとおり同線は深川—亀戸間で当面の間、揺らぎ規制による徐行運転を続けており、観測期間中に指数が上振れした場合、この徐行区間がさらに広がる可能性は残る。鉄道会社担当者は「大潮そのものより、観測期間中に指数がどう動くか次第です。動きがあれば都度お知らせします」と述べた。

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