三つの太鼓が、初めて重なった 深川の広場で三氏族合同演目を初披露
三つの太鼓が、初めて重なった。来年の「三氏族秋祭り」(既報)に向け合同稽古を続けていた深川の犬系・熊系自治会と亀戸の狐系自治会は31日、深川中央広場で合同演目を初めて一般公開し、約300人が見守った。既報の「叩き比べ」から「重ねる」形式への転換後、初めての人前での演奏となった。
■ 「叩き比べ」から「重ねる」へ
既報(17日合意・19〜22日各自治会稽古・26日合同実行委員会)のとおり、来年の「三氏族秋祭り」に向けて、深川の犬系自治会(会長・戌亥浩二)・熊系自治会(会長・丸輪徹)と、亀戸の狐系自治会(会長・早乙女丈)が合同で太鼓の演目作りを進めてきた。当初は各氏族が交代で打ち合う「叩き比べ」の形式を検討していたが、合同稽古を通じて「競うより、重ねたほうが面白い」という声が強まり、犬系の速い連打、熊系の低く太い音、狐系の軽やかな変拍子を、順番に重ねていく「重ねる」演目へと方向を転換していた(10-連載計画で既に言及)。31日の公開は、この新形式を初めて人前で披露する場となった。
■ 約300人が見守る
公開演奏は深川中央広場で午後3時から約20分間行われた。犬系の太鼓が先に拍を打ち始め、約1分後に熊系の低音が重なり、最後に狐系の変拍子が加わって三つの音が同時に鳴る構成。演奏が終わると、広場に集まった約300人から大きな拍手が起こった。戌亥浩二(56)は「正直、三つがうまく噛み合うか最後まで不安だった。今日、噛み合った瞬間に、観客の反応でそれが分かった」と話した。丸輪徹(58)は「熊系の太鼓は元々、一つで聞かせる音作りをしてきた。人の音に合わせて鳴らすのは今回が初めてで、新しい発見があった」と振り返った。早乙女丈(54)は「来年の本番は、今日の反応を見て演目の長さを決めたい」と話した。
■ 屋台も試験的に出店
既報(28日)で早乙女が提案していた屋台・縁日コーナーについても、31日は試験的に数店が公開演奏の周囲に出店した。亀戸の狐系自治会にゆかりの店が焼き菓子を、深川の犬系自治会の知人が営む屋台が揚げ物を出し、いずれも開始から1時間ほどで完売した。来年の正式な演目・会期・会場は11月14日の合同実行委員会で決まる見通しで、今回の試験出店はその判断材料の一つになるという。
■ 観客の声、「氏族が違う家族」も
観客席には、複数の氏族にまたがる家族連れも目立った。犬系の夫と狐系の妻を持つ男性(39)は「うちの子はどの太鼓を『自分の音』と思えばいいのか、これまで迷っていたようだった。今日、三つが一緒に鳴るのを見て『全部好き』と言っていた」と笑った。熊系の祖母と暮らす小学生の女の子は「おばあちゃんの太鼓の音が一番最初に体に響いた」と話した。深川の商店街関係者は「氏族をまたいだ合同行事は、祭りそのものより先に、こういう小さな場で先に定着していく気がする」と手応えを語った。
■ 11月14日へ
合同実行委員会の正式な演目決定は11月14日に予定されている。戌亥・丸輪・早乙女の3会長はいずれも、今回の公開演奏を踏まえて最終案を固めたいとしており、31日の反応は委員会にそのまま報告されるという。早乙女は「競うより重ねたほうが面白いという、たった一つの思いつきが、今日ここまで来た。来年の本番が今から楽しみだ」と話した。






