記号は、対で置かれていた 第5窓送付物、解読班が新たな配置を確認
記号は、対で置かれていた。第5窓「剣の国」から史上初めて「意図して送られたとみられる物」として回収された紙(既報20日)について、解読班は31日の定例会で、既報(24日)の「記号が2〜4個でまとまる」という規則性に加え、各まとまりの両端に必ず同じ記号が一つずつ置かれていることを新たに確認した。意味の解読には至っていない。
■ 「端と端」に、同じ記号
亀戸・第三鑑定センターで31日に開かれた解読班の定例会で、既報(24日)の「記号が2〜4個のまとまりで現れる」という規則性について、新たな手がかりが示された。ヒンド数理班の分析により、紙の上に並ぶ記号のまとまりのうち、確認できた17の塊すべてで、まとまりの最初と最後に同じ一つの記号が置かれていることが分かった。中央の記号(1〜2個)は塊ごとに異なるが、両端は必ず揃う。解読班を率いるアニルダ・ラーオ主任(既報)は「文字が単純に並んでいるのではなく、何かを『挟む』『区切る』ための配置である可能性が高まった」と述べた。
■ 「地図の凡例かもしれない」「子守唄の切れ目と似ている」
ヘラスの歴史学者ニコス・ザフィラス(既報)は、この日の会合で「古い地図の凡例や、目印を囲う記法に似た例を知っている」と述べたが、すぐに「印象の話であり、学術的根拠ではない」と自ら留保を付けた。漂着一世・岸浦汐(74、既報)は、紙に描かれた図形の並びを改めて見て、「岸の子守唄で、言葉の区切りに同じ節を繰り返す歌い方がある。似ている気がするが、うまく説明できない」と話した。解読班はこの日、岸浦の発言を記録に残しつつ、断定は避けた。
■ 解読は「年内には終わらない」見通しのまま
次元調査課は、今回の発見を11月上旬の外部有識者検討会(座長・梶浦悦子)に進捗として報告する方針を明らかにした。ただし、既報どおり送付物全体の解読は年内に終わらない見通しに変わりはなく、担当者は「一つ分かると、分からないことがもう一つ増える。今日もそうだった」と話した。紙そのものの全体の構図——何が描かれているのか——については、依然公表されていない。
解読班の初顔合わせ(24日既報)から1週間、三つ並んだ湯呑み(常滑の窯元三代目・榊原周造作、既報)は定例会のたびに同じ位置に置かれているという。ラーオ主任は「この部屋に通う回数は増えているが、焦って結論を出すつもりはない」と話し、31日の会合を終えた。
■ 第1窓の「式」の札との関係は、今回も保留
既報(9月26日)のとおり、第5窓「剣の国」の送付物に描かれた記号は、第1窓「灯しの街」で使われる「式」の札の文字と酷似しているという指摘が以前からある。31日の会合では、この「対の配置」が第1窓の札にも見られるかどうかが議題に上ったが、第1窓側の資料は観測報告の域を出ておらず、比較に使える「式」の実物がないため、今回も結論は出なかった。次元調査課の担当者は「二つの窓が同じ系統なのか、別々に似た発想へ行き着いただけなのか、材料が足りない」と述べ、第1窓側からも実物の比較材料が得られないか検討する方針を示した。
■ 窓室の職員たちの受け止め
第5窓の窓室で夜番を務める職員の一人は、31日の発見について「正直、意味が分かる日が来るのか、分からないまま終わるのか、自分には見通せない。ただ、紙の上の記号に『決まりごと』があると分かるたびに、向こうにも自分たちと同じような『書き方の作法』があるんだと実感する」と話した。解読班に参加する岸浦汐は、会合を終えた後、記者に「子守唄の話は、あくまで自分がそう感じただけ。学者の先生方のように、根拠を示せと言われても困る」と改めて釘を刺しつつ、「でも、今日もまた少しだけ、近づいた気がした」と笑った。






