大島の無免許施術、運営者を起訴 熱傷の原因は結局、特定されず
起訴が、決まった。城東地区・大島の施設「静寿庭」での無免許の外来系技術の施術が疑われた問題で、検察は30日、既報(24日書類送検)の運営者の男性(56)を無免許使用の罪で略式起訴したことが31日、分かった。利用客の女性(78)が負った熱傷の原因は、捜査が終わった今もなお、外来系技術によるものか、単なる器具によるものか特定されていない。
■ 書類送検から6日、略式起訴へ
既報(14日発覚、24日書類送検・25日判明)のとおり、城東地区・大島の施設「静寿庭(せいじゅてい)」の運営者の男性(56)は、免許のないまま「温熱の技法」と称する外来系技術の施術を高齢者向けに行っていたとされる。検察は30日、外来系技術免許法違反(無免許使用)の罪で、男性を略式起訴したことが31日、関係者への取材で分かった。略式起訴は正式な裁判を開かず罰金刑を求める手続きで、男性に禁錮・懲役などの実刑が科される可能性は今回の手続き上はない。検察担当者は「容疑を裏付ける証拠は十分とみて、略式の手続きを選んだ」と述べるにとどめた。
■ 「何だったのか」は、今回も分からないまま
一方、9月に利用客の女性(78)が左腕に軽度の熱傷を負って入院した原因については、既報どおり捜査を通じても特定されていない。警察・検察はいずれも、施術で使われていたとされる手のひら大の器具を押収して分析したが、外来系技術の発現を示す所見も、通常の加熱器具であることを示す決定的な所見も、どちらも得られなかったという。捜査関係者は「無免許であったこと自体は明確に立証できたが、何を使って何をしていたのかという核心部分は、最後まで『分からない』としか言えなかった」と話した。TDA生物管理課・外来系技術免許課も31日、改めて「当該器具を外来系技術の用具と断定する根拠はない」とのコメントを出した。
■ 被害女性、「怖かったことに変わりはない」
熱傷を負った女性(78)は代理人を通じ、「起訴されたと聞いて、少しは報われた気がする。ただ、あれが何だったのかが分からないままなのは、正直まだ怖い」とのコメントを寄せた。女性は現在、腕の傷はほぼ目立たなくなっているが、通院は今月で終える予定だという。近隣に住む女性(67)は「あの家の前を通るたび、まだ少し身構えてしまう。これで終わった話だとは、自分の中では思えていない」と話した。
■ 消費者庁座長、「氷山の一角」を改めて指摘
消費者庁有識者研究会座長の深沢律子(既報)は31日、本紙の取材に「無免許の施術は、発覚するものより発覚しないものの方が多いはずだ。今回は熱傷という分かりやすい被害があったから表に出たに過ぎない」と改めて指摘した。研究会は11月の次回会合で、高齢者向けの施術・治療をめぐる相談窓口の周知強化を議題にする方針だという。予備調査協会会長・露木要(既報)も「術師の免許制度そのものを疑う話ではないが、無免許のまま放置されている事例は他にもあるとみるべきだ」とコメントした。
■ 「正体」は決着せず
静寿庭は既報どおり現在閉鎖されており、男性は取材に応じていない。男性の弁護人は「略式起訴の内容について、現時点でコメントすることはない」とした。10月中旬の発覚から半月余りで司法手続きとしては一つの区切りを迎えたが、施術の実態——外来系技術だったのか、それともただの器具だったのか——は、今回もまた「分からない」という言葉で締めくくられることになった。




