校庭に金属球27個、授業は校舎内で 城東の小学校、回収まで2時間
1日午前10時ごろ、城東の市立砂町第三小学校で、校庭に小さな金属球が多数落ちているのを体育の授業前の教員が見つけた。TDAが漂着物として回収したのは直径3〜5センチの金属球27個。児童は回収が終わるまでの約2時間、校舎内で授業を続け、けが人はなかった。
■二時間目の前に
見つけたのは、3時間目の体育の準備でラインカーを押していた教員だった。午前10時ごろ、朝礼台の東側からトラックの内側にかけて、砂に半分埋まった球がいくつも光っていた。数を数える前に職員室へ戻り、市の漂着物対応要領に沿って校庭を立ち入り禁止にした。TDAへの通報は同10時12分。回収班の到着は10時40分だった。
学校は要領どおり、校庭に面した窓のカーテンを閉め、体育の授業を体育館と教室に振り替えた。給食は通常どおり。回収が終わり、校庭の立ち入り禁止が解かれたのは午後0時半すぎで、同日午後の委員会活動からは通常どおり使われている。
前夜の城東の透過指数は「中」で推移していた。湾岸ほどではないものの、城東でも今夏は「中」の日が続いている(既報)。
■継ぎ目も、刻印もなく
TDAによると、回収された金属球は27個。直径3〜5センチで、重さは大きさから予想されるより軽い個体と重い個体がある。表面に継ぎ目や刻印はなく、材質は「その場では判定できない」。落下によるとみられるくぼみが校庭の砂に残っていたが、深さはいずれも数センチにとどまった。
次元境界管理法に基づき国庫帰属となり、27個すべてが第三鑑定センターへ送られた。同センターは深川の漂着物(既報)の鑑定を抱えており、順番待ちは数カ月に及ぶ見込みだ。TDA担当者は「危険性を示す所見は現時点でない。ないことを確かめるのに時間がかかる、というだけです」と話した。
学区内の住宅や道路から同種の球が見つかったという届け出は、1日夕までにない。
■要領は、二度書き直された
市の漂着物対応要領が学校向けの章を持つようになったのは、透暦46年の改定からだ。それ以前は「発見したら通報する」の一行しかなかった。改定のたびに増えたのは、通報の手順ではなく、通報したあとの時間の使い方に関する記述だった。カーテンを閉める、給食を通常どおり出す、下校時刻を変えない——現在の要領の学校向けの章は、その大半が「変えないこと」の列挙で占められている。
市教育委員会の担当者は「子どもにとっていちばん怖いのは、大人が急に段取りを変えることです」と説明する。今回、砂町第三小が給食を通常どおり出した判断も、要領の記述に沿ったものだった。
通報から回収班の到着までは28分。市内の平均は昨年度で41分で、湾岸部の観測点増設に伴って短くなる傾向にあるという。
■「数えたら27個でした」
児童は校舎の中から一部始終を見ていた。6年生の男子児童は「カーテンの隙間から全部見えた。数えたら27個で、あとで局の人の発表と同じだった。ちょっと自慢です」と話した。別の児童は「回収の人が一個ずつ、箱に入れる前に写真を撮っていた。給食のとき、その話ばっかりでした」
校長は「訓練通りに動けたことがすべてです」と振り返る。市立の小中学校では年2回、漂着物を想定した避難・報告の訓練が組まれており、同校は6月に実施したばかりだった。「児童には『拾わない・触らない・報告する』を改めて指導しました。この三つだけは、覚えていれば一生使えます」
校門前で下校を待っていた保護者の女性(41)は「連絡アプリの一報を見て、仕事を早退しようか迷いました。結局、校庭が開いたという二報のほうが早かった」と話した。市教育委員会は、対応要領の運用としては「想定どおり」としている。
PTA会長の女性(45)は、夕方に学校から届いた文書を読んで「淡々としていて、かえって安心した」と話した。文書はA4一枚。経過が時刻順に並び、最後に「本日午後より校庭を通常どおり使用しています」とだけ書かれていた。「うちの子は、局の人の作業服の色の話しかしませんでした。それでいいんだと思います」
深川で8月に回収された貨物状の漂着物(既報)と異なり、今回は小型のものが多数という形をとった。TDAは「形状も数も、既知の分類に当てはめられる段階にない」として、両者を結びつける見方には触れていない。
■砂に残った、くぼみ
放課後、校庭にはくぼみの位置を示す小さな標識が27本、そのまま残されていた。TDAが記録用に立てたもので、抜くのは2日以降になるという。用務員の男性(63)が、標識を避けながらトンボをかけていた。
「毎日ならしてる砂です。どこが硬いかは手で分かる。今日のは、ならすと少しだけ手が軽かった。気のせいだと思いますが、いちおう言っておきます」
TDAは、同種の物体を見つけても手を触れず、最寄りの署か同局へ通報するよう呼びかけている。


