投札、沢渡権蔵と小此木大地 11月再戦へ稽古の積み重ね 「負けた型を、同じ型でやり返す気はない」
潮見橋商店街投札会で、名人・沢渡権蔵(77)と新鋭・小此木大地(23)が、11月の月例大会での再戦に向けた稽古を続けている。9日の月例大会決勝で小此木に敗れた沢渡は、14日の非公式稽古で一矢を返した(既報)が、以後は星取りよりも「型」の見直しに時間を割いているという。
■ 星取りより、型の見直し
既報(9日)の月例大会決勝で名人・沢渡権蔵(77)を3枚2升対4枚3升で下した小此木大地(23、漂着二世・兎系)。既報(14日)の非公式稽古では沢渡が3枚2升対3枚3升で競り勝ったが、27日の稽古を見学した限り、両者とも以後の星取りにはあまりこだわっていない様子だった。沢渡は「勝ち負けを数えるのは本番だけでいい。今は、決勝で負けた投げ方をそのまま速くするような稽古はしていない」と話す。
■ 「負けた型を、同じ型でやり返す気はない」
沢渡は現役生活の長さを生かし、決勝で小此木に読まれた癖——的の左側を狙う際の肩の開き——を直す稽古に時間をかけているという。「あの癖は、三十年やってきて初めて他人に読まれた。直すのは悔しいが、直さずに同じ型でやり返す気もない」と語る。一方の小此木は、沢渡の「読みの速さ」そのものを研究していると明かした。「名人が何を見て、何の前に的を外すかを、稽古のたびにメモしている。耳がいいことより、見る順番が違うことの方が強さの正体な気がしてきた」。
■ 周りの受け止め
二人の稽古を見守る会員の一人は「勝った方も負けた方も、前より楽しそうに投げている。星が動くより、二人の間に別の何かが動いている気がする」と話す。潮見橋商店街投札会の事務局は「11月の月例大会は、例年以上に見学の申し込みが早い」としている。
■ 今後
11月の月例大会は来月上旬の開催が見込まれる。沢渡は「型を直せたかどうかは、本番で向こうが読めなくなっているかどうかで分かる」と話し、小此木は「読みの速さで勝つか、読まれる前に投げ切るか、どちらの道でいくかはまだ決めていない」と明かした。両者とも、再戦当日までは非公式の一局をこれ以上組まない方針という。





