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秋季高校野球、都立汐見丘が悲願の初優勝 延長10回、平日開催の決勝で

2026年(透暦52年)9月10日 (文化部・遠野汀) English

©東亰新報

予備日が尽き異例の平日開催となった秋季高校野球の決勝が10日、州崎第一球場で行われ、都立汐見丘高校が延長10回の末に私立蒲田学院を5-4で下し、創部以来初めての優勝を果たした。既報のとおり大会は警戒中断が5度に及び、準決勝・決勝とも平日開催となった。

■平日の決勝、5度の中断を乗り越えて

既報のとおり、今季の秋季高校野球は指数「警戒」による中断が5度に及び、用意されていた予備日をすべて使い切った。大会本部は9日の準決勝、10日の決勝をいずれも平日に組む異例の判断を下し、開催地は州崎第一球場に据え置かれた。10日は朝から薄曇りで、透過指数は「低」。予報どおり中断のない一日となった。

■9日の準決勝を制した両校

決勝に進んだのは、9日の第1試合を制した私立蒲田学院と、第2試合を制した都立汐見丘高校。蒲田学院は今大会の優勝候補と目されてきた強豪で、過去5年で3度の決勝進出を誇るが、いずれも準優勝に終わっている。一方の汐見丘は部員22人の公立校で、今大会が創部28年目にして初のベスト4進出だった。監督(52)は「準決勝の時点で、もう十分に満足していました。だから決勝は、選手たちにとって完全なおまけの時間です」と試合前に語っていた。

■延長10回、劇的な決着

試合は午後1時に始まった。既報の「授業に支障のない範囲」の応援方針により、スタンドの応援団は各校とも吹奏楽部と応援団幹部を中心とした最小限の編成にとどまったが、平日にもかかわらず観客席は空席が目立たなかった。試合は序盤から一進一退が続き、9回を終えて4-4の同点。延長10回表、蒲田学院が1点を勝ち越したが、その裏、汐見丘は二死満塁から8番打者が中前へ運び、同点かつサヨナラの2点適時打とした。球場は静まり返った後、割れんばかりの拍手に包まれたという。

サヨナラ打を放った選手(3年)は「自分が回ってくるとは思っていなかった。ただ、走者を返すことだけ考えていました」と振り返った。

■エース・皆川、165球

汐見丘の先発は3年生エースの皆川蒼。9日の準決勝に続く連投で、10回を1人で投げ切り、球数は165球に達した。既報の警戒中断による日程の圧縮が、投手起用にも影響したとみられる。皆川は「9回まではとにかく粘る、それだけでした。延長に入ってからは、逆に気持ちが楽になりました」と話し、「後ろに22人しかいないチームです。全員が全員の分まで、今日は声を出してくれました」と続けた。

■「授業に支障のない範囲」の応援

大会本部が定めた既報の応援方針により、両校とも平日午後の授業を一部調整しての観戦となった。汐見丘の応援に駆けつけた3年生の女子生徒は「6限が自習になって、先生に『静かに応援しなさい』と言われて球場に来ました。全然静かにできませんでした」と笑った。学校側の対応として、両校とも教室での中継視聴を認めており、蒲田学院では敗れた瞬間、教室から低いどよめきが上がったという。

■初優勝、その夜

蒲田学院の監督は「うちは決勝で勝ちきれない歴史を、また一つ重ねてしまった。ただ、相手が最後まで諦めなかった野球をした。負けを受け入れるしかありません」と述べた。汐見丘高校では試合後、校長が「創部28年、初めての優勝をこの目で見られるとは思っていませんでした」とコメントを寄せた。

大会本部によると、来季に向けては予備日の増設を検討するといい、「選手の安全と大会の完走、両方を守れる日程を考えたい」としている。州崎第一球場の外では、平日にもかかわらず両校の在校生・OB・OGが試合後も帰らず、しばらく歓声と拍手が続いていたという。

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