ロボ法制審、第15次答申に初の確定期日 来年1月26日「集中討議」で決める
ロボット法制審議会は22日夜に開いた非公開の準備会合で、14年連続で「引き続き検討」を繰り返してきた第15次答申について、来年1月26日に開く「集中討議」で結論を出す方針を固めたことが23日、分かった。制度創設以来、答申に確定した期日が設定されるのは初めて。準人格案そのものの結論は依然見えないが、「いつ決めるか」が決まったこと自体が、14年ぶりの一歩として受け止められている。
■ 「引き続き検討」が14年続いた末に
ロボット法制審議会(ロボ法制審)の第15次答申は、透暦37年(2012年)の第1次答申以来、歴代すべての答申が「引き続き検討」の一文で結ばれ、実質的な結論を持ち越されてきた。共生ロボットの法的地位――財産として扱うか、一定の要件下で限定的な法人格(準人格)を認めるか――は、審議会が発足した当初から「いずれ決める」とされながら、決める瞬間に必ず誰かが不利益を受ける構造ゆえに、14年にわたり先送りされ続けている。
今年の第15次審議は、9月2日の制度創設以来初の公聴会、10月の一般公募による追加公聴会と、これまでにない規模で意見聴取を重ねてきた。だが既報(12日)のとおり、常磐堂所有の共生ロボット「四号」の作動音を「発言」として記録すべきかどうかで委員間が激しく対立し、答申はまた持ち越されるとの見方が強まっていた。
■ 22日夜、非公開の準備会合
22日午後7時から国会内の委員会室で開かれた非公開の準備会合は、本来は次回公聴会の実務調整を目的とするものだったが、議論は3時間に及び、終盤になって座長の蓮見周平氏(65、法学者)が「このままでは15回目の持ち越しになるだけだ。結論の内容ではなく、結論を出す日だけは、今日ここで決めたい」と切り出した。出席した委員によると、しばらく沈黙が続いたのち、ある委員が「期日を決めることと、準人格を認めることは別の話だ」と確認を求め、座長が「もちろん別だ。期日を決めても、1月26日に何も決まらないという結論すら、ありうる」と答えたことで、ようやく話がまとまったという。
来年1月26日に開く「集中討議」は、通常の月例審議とは別枠の特別日程で、準人格案・登録主体案の両方について、委員全員が最終的な賛否を明らかにすることを目指す。蓮見座長は23日の取材に「結論を急ぐための期日ではない。14年間、『いつか』としか言えなかったことのほうが、むしろ誠実さを欠いていたと思う」と話した。
■ 常磐堂・狩野さん・タチバナP、それぞれの受け止め
既報(9月2日)の公聴会で公述人を務めた共生ロボット永代預かり業・常磐堂当主の常磐徳三さん(67)は「結論がどちらに転ぶかは分からないが、うちの四号のような子たちが生きている間に、答えが出るかもしれないと思えるようになった。それだけで十分だ」と話した。常磐堂の従業員・沖田大和さん(24)は「1月26日というのは、ちょうど機巧祭の次の大会の少し前です。四号に報告できる日が決まったみたいで、不思議な気分です」と語った。
同じく公述人だった元市消防局職員の狩野文吾さん(58)は「私の裁判のときは、器物の語では尽くせないという補足意見だけが残って、それ以上は進まなかった。期日が決まったからといって裁判のやり直しにはならないが、次に似たことが起きた人が、14年も待たなくて済むならいい」と静かに語った。著作権係争の当事者である共生ロボットの音楽プロデューサー「タチバナP」は、所有者の立花家を通じて「1月26日は新曲の配信日と被らないので助かります」とコメントを寄せ、例年どおり「権利より締切です」という一言で締めた。立花家は「審議の中身より先に、うちの子の配信日程の方が心配になってしまうのは、これはもう一種の職業病だと思う」と苦笑いした。
■ ロボット工業会は慎重、「期日が目的化する懸念」
一方、ロボット工業会の代表は「期日ができたこと自体は評価するが、1月26日までに結論を出すことが目的化し、拙速な議論になる懸念もある」とコメントした。人型解禁論を唱える学識者側は「規範の是非と法的地位の議論を分けるべきだという主張は変わらない。期日ができたことで、むしろ議論を分けて進めやすくなるのではないか」と前向きに受け止めた。審議会事務局は23日、1月26日までに公聴会をさらに1回程度開く可能性を検討していると明らかにした。
■ 「いつ」が決まったことの重さ
次元調査面(本紙別項)では、第2窓「機構の海」で観測されている機械文明の「数え上げ」の規則性が、資料としてこの準備会合に提出されていたことも明らかになっている。委員の一人は「向こうの世界の話を直接の根拠にはできないが、規則的な振る舞いが機械的な構造から生まれうるという事例は、こちら側の議論の持ち越しを続けてよい理由にはならないと、背中を押された気がした」と話した。
■ 与野党の受け止めは割れる
国会内の受け止めは一様ではない。与党内の推進派は「期日ができたことで、省庁側の準備作業にも腰が入る」と歓迎する一方、慎重派のある議員は「拙速な結論より、丁寧な持ち越しのほうがましな場合もある。期日に縛られて中身が薄くなるなら本末転倒だ」と注文をつけた。野党の社会保障部会長は「準人格を認めた場合の年金・保険制度への影響など、検討すべき論点はまだ山積している。1月26日という日付が、検討を打ち切る合図にならないよう監視したい」と述べた。窓条約交渉(既報)を抱える外務省筋は「直接の関係はないが、この国が『いつまでも決めない国』だと見られないほうが、対外的な説明もしやすくなる」と漏らした。
■ 14年という長さをどう見るか
審議会のベテラン事務局員の一人は「制度ができた透暦37年当時、共生ロボットはまだ職場の珍しい存在だった。今は常磐堂のように数百台を預かる業者が成立するほど、暮らしに入り込んでいる。むしろ今まで決めずに済んだこと自体が、この14年の変化の速さを物語っている気がする」と話す。蓮見座長は会見の最後に「1月26日に何も決まらなかったとしても、少なくとも『また来年』とは言わせない。次は必ず、次の期日を同じ日に決める」と付け加えた。
14年間、ロボ法制審が市民に示せたのは「いずれ決める」という言葉だけだった。来年1月26日に何が決まるかは、まだ誰にも分からない。それでも、分からないことと、決める日が分からないことは、この審議会にとってようやく別の問題になった。





