亀戸「3分遅れ」街区、道一本越えた先でも時計遅れを確認 境界だったはずの道路
亀戸三丁目で時計がすべて3分遅れていた一街区(既報13日)について、TDAが19日夜に行った定期再測定で、街区の境界とされてきた道路を一本越えた向かい側の店舗でも、新たに同じ3分の遅れが確認された。遅れの量そのものは変わっていないが、範囲が初めて広がったことになり、潜行監視員・霧生伊織(29)が再び巡回点検にあたった。
■ 境界のはずの道路、向こう側でも遅れ
TDAは19日夜、既報(13日)の亀戸三丁目「3分遅れ」街区について、予定していた定期再測定を実施した。既報どおり、街区は隣接する道路一本を境に、向かい側では時計がすべて正常とされてきたが、今回の測定で、その道路を挟んだ向かい側にある雑貨店1軒のレジ付属の時計が、新たに3分遅れを示していることが確認された。発見したのは、既報(13日)で最初の異変に気づいた潜行監視員・霧生伊織(29)。「前回と同じ標準時刻同期済みの時計で確認した。前回はぴったり合っていた場所だったので、最初は自分の記憶違いかと思った」と話す。
雑貨店の店主(68)は「気づいたのは昨日今日のことじゃない。先週あたりから、レジの時計がお客さんの携帯の時刻とずれている気がしていたが、たかが3分だから気にしないようにしていた」と振り返った。
■ 遅れの量は変わらず、範囲だけが動いた
TDAによると、新たに確認された遅れも既報どおり正確に3分で、遅れの量そのものに変化はない。広がったのは範囲のみで、街区の既報28世帯に加え、境界だった道路の向かい側の1軒が加わった形になる。TDA広報は「量は変わらず、範囲だけが動いたというのが、今回いちばん奇妙な点だ」とした上で、「機序も原因も、引き続き説明できない」と繰り返した。既報どおり揺らぎとの関連を示す兆候は今回も確認されていないという。
街区の住民の一人は「3分遅れでいいと思って慣れてきたところに、今度は『広がる』という話を聞くと、やっぱり少し落ち着かない」と話す一方、雑貨店店主は「うちも仲間入りかと思うと、不思議と悪い気はしない。あの街区の人たちとは、もう3分遅れ仲間みたいなものだから」と苦笑した。
■ 「消えた路地」との関連、TDAは今回も慎重
亀戸をめぐっては、既報の「消えた路地」(区の古地図にはあるが住民の記憶から抜けている路地)という別の謎もすでに知られている。今回の範囲拡大を受け、両者の関連を指摘する声も住民の間にはあるが、TDA広報は「地理的に近いというだけで、結びつける根拠は無い、という立場は今回も変わらない」と繰り返した。もっとも広報自身も「偶然が重なりすぎている、と感じる気持ちは理解できる」と付け加えるにとどめ、完全に否定はしなかった。
■ 霧生伊織「見えるものは、また見に行くしかない」
霧生は「聞こえないのが仕事だと言ってきたが、今回もまた、音ではなく時計という見えるものに頼ることになった」と話し、「範囲が動くなら、次はどこまで動くのか、見ていくしかない」と淡々とした様子だった。TDAは境界となる道路沿いの建物を対象に、再測定の頻度を当面増やす方針。亀戸の謎は、解けないまま、その輪郭だけをわずかに広げた。


