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音楽祭「岸辺の歌」あす開催 白瀬の再びの一度きり、岸辺セブンの尾、岸八の新作、三つの初披露が重なる夜

2026年(透暦52年)9月22日 (文化部・芸能・小柳ちひろ) English

©東亰新報

漂着系音楽祭「岸辺の歌」が23日、湾岸緑道特設ステージで開かれる。前売り券は既報のとおり3日で完売しており、22日は主催の潮騒レコードと会場設営チームが最終準備に追われた。白瀬ユキの「岸の子守唄」生披露、岸辺セブンの尾を使う振り付けの完成披露、柳亭岸八の新作落語「窓芸」——3つの初披露が同じ夜に重なる、開設以来で最も厚みのある番組になる見通し。雨天時の開催可否は23日朝に最終判断される。

■ 前売り完売から10日、最終準備の一日

漂着系音楽祭「岸辺の歌」は今年で4回目。天気予報欄既報のとおり23日の降水確率は今のところ低めとされているが、大潮期間中でもあり、TDA予報課は「透過指数と天候は別の予報だが、屋外イベントである以上どちらも注視してほしい」とコメントしている。既報のとおり13日に発売した前売り券はオンライン分が36時間、全体でも3日で完売し、主催の潮騒レコードは当日券枠の圧縮と立ち見・芝生エリアの拡大、入場時の本人確認強化で対応してきた。22日は会場の湾岸緑道特設ステージで音響・照明の最終チェックが行われ、スタッフ約60人が朝から設営に追われた。潮騒レコード担当者は「例年より半日早く仕込みを始めた。プログラムの厚みが今年は違う」と話す。

■ 会場周辺、警備も例年より厚く

前売り完売と番組の厚みを受け、会場周辺の警備計画も例年より拡充された。既報のとおり18日の壁上競走最終節では東亰刀士会の隊員が大規模イベント警備として会場周辺に立ったが、23日の「岸辺の歌」でも同様の運用が予定されている。主催者は「刀士の方に立っていただくのは、抜くためではなく、来場者に安心して並んでいただくため」と説明する。監視業組合からも数人が夜間の場内巡回に加わる見通しで、既報の職務④「岸見物の整理」の延長として位置づけられている。

■ 白瀬の「一度きり」、23日はもう一度

既報のとおり白瀬ユキ(31)は20日夜、協会ラジオで「岸の子守唄」公式カバーの録音なし一度きり生放送を終えたばかり。23日の同音楽祭でも同じ全13番中3番の披露にとどめる方針で、原譜非公開(死後まで)の姿勢にも変更はない。白瀬は22日の最終リハーサルを終え、「一昨日の放送を聴けなかった方に向けての一度きり、というより、聴けた方にとっても新しい一度きりにしたい。同じ3番でも、一昨日とまったく同じようには歌えないと思う」と語った。採譜者・岸浦汐(74)も会場入りし、リハーサルを見届ける予定という。

■ 岸辺セブン、サビの尾を初めて映像化

既報のとおり岸辺セブンの新曲「灯りの先に」は20日の配信開始時点でサビの振り付けが未完成披露のまま持ち越されていた。獣徴のあるメンバー2人のうち1人が担当する「尾を使う振り付け」は、23日のステージで初めて完成形が披露される。メンバーは22日の取材に「配信のときにわざと隠したのは、生で見てほしかったから。稽古では何度も尾を踏みそうになった」と笑いながら明かした。既報のとおりこの振り付けはティザー動画で話題になっており、潮騒レコードは当日の映像記録は残す方針(白瀬の一度きりとは扱いが異なる)としている。

■ 柳亭岸八、半世紀分の間で新作を

落語家・柳亭岸八(68、漂着一世)は新作「窓芸(まどげい)」を初披露する。1975年の集団漂着当時17歳だった岸八にとって、今回が「岸落語」第一人者としては初めての完全新作という。22日の稽古場では珍しく台本らしきメモを手元に置いていたといい、弟子は「師匠が新作でメモを見るのは、わし十年ぶりに見ました」と驚いていた。岸八本人は「新しいことをやるのに、間の取り方だけは変えないつもりだ」とだけ語った。

■ 「聴く係」、今年も

9月7日の漂着記念日式典に「聴く係」として参列した岸谷タネさん(101、既報)が、23日も客席の最前列に招かれることが22日、主催者から明らかにされた。岸谷さんは式典で「歌だけは別です。歌は、話ではないから」と語ったことで知られる。潮騒レコード担当者は「歌える方ではなく、聴いてきた方に最前列に座っていただきたいという主催者の考えからお願いした」と説明する。岸谷さんの孫夫婦によると、本人は「今年も、聴く係ですから」とだけ答えたという。

■ 転売対策、入場時の本人確認

既報のとおり完売直後から高額転売の懸念が指摘されており、主催者は当日、購入時の名義と身分証の突き合わせを行う方針を維持する。過去3回では大きな転売トラブルは報告されていないが、担当者は「番組の厚みを考えると、今年は例年以上に気を引き締めている」と話す。当日券は用意されない見通しで、既報のとおり立ち見・芝生エリアの拡大分もすでに完売済みという。

■ 雨天判断は23日朝、交通・混雑案内も

会場は屋外の特設ステージのため、既報のとおり雨天時の開催可否は23日朝に最終判断される。荒天の場合は近隣の屋内施設への振り替えが検討されているが詳細は未定。22日時点の天気予報では降水確率は低めとされている。運行情報欄既報のとおり、21〜23日の大潮期間中は湾岸モノレールが徐行運転中で、主催者は「来場の際は余裕を持った移動を」と呼びかけている。汐風交通も既報の深夜割増運用を継続する。

■ ファンの一夜

22日夕方には、会場周辺にすでに前泊組とみられる姿もちらほらと見られた。入場整理券は当日配布のため夜通しの場所取りに意味はないが、白瀬の公式ファンクラブ会員だという女性(34)は「意味がないのは分かっているが、来てしまう。一昨日のラジオを聴き逃した悔しさを、ここで晴らしたい」と話した。岸辺セブンのファンだという高校生グループは「尾の振り付け、配信でわざと隠されたのが逆に効いた。友達5人でグループチャットが一昨日から止まらない」と笑った。

■ 4回目の重み

初回開催時からスタッフを務める潮騒レコードの制作担当は「1回目は正直、お客さんが集まるか不安だった。4回目のいまは、番組が重なりすぎて交通整理のほうが心配になっている」と苦笑する。白瀬の一度きり、岸辺セブンの初披露、岸八の新作——三つの「初めて」が同じ夜に重なるのは今回が初めてで、次に同じ密度の夜が来るとは限らない。22日の会場には、まだ誰もいない客席に向けて、スタッフが椅子を並べる音だけが響いていた。

■ 小柳ちひろ記者の視点

一昨日の白瀬の生放送を取材したときは、聴けなかった人の悔しさを取材して回った。今日は逆に、まだ何も始まっていない会場を歩いて、始まる前の人たちの顔を見た。悔しさも、待つ楽しさも、結局は同じ「一度きり」への向き合い方なのだと思う。あすの夜、この街がどんな顔で歌を聴くのか、それを確かめに行く。

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音楽祭「岸辺の歌」前売り券、発売中

初の屋外開催・岸浜公園。
主催 潮騒レコード

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