尾追い、学校対抗の秋季シーズン開幕 伝統校・都立枝川高が白星発進
漂着民由来の団体競技「尾追い」の学校対抗リーグが14日、秋シーズンの開幕を迎えた。壁上競走では創部2年の新興校として苦戦が続く都立枝川高校だが、尾追い部は創部46年の伝統校。開幕戦は同校が3年連続の白星で発進した。
■秋開幕、枝川高は「別の顔」
学校対抗の尾追いリーグが14日、秋シーズンの開幕を迎えた。腰につけたリボン(俗称「尾」)を5対5で取り合う団体競技で、既報のとおり学校スポーツとして最も人気が高い。壁上競走では創部2年、部員9人の新興校として今季の秋予選を初戦敗退で終えたばかりの都立枝川高校だが、尾追い部は創部46年、都内屈指の伝統校として知られる。開幕戦は私立汐留学園を相手に「取り12-9」で制し、3年連続の開幕勝利となった。
■獣徴のある選手の「触れてはいけない尾」
尾追いには、獣徴のある選手のリボンとは別に本物の尾があるため、既報のとおり「獣徴のある選手の尾には触れてはいけない」というルールがある。枝川高の背番号7の選手(2年、漂着二世)は、この日の試合で相手のリボンを4本取った最多得点者。「自分の尾はリボンじゃないので、取られる心配がない代わりに、走るときに邪魔になることもある」と笑いながら話した。
■壁上競走部との対比
同じ学校の壁上競走部が、既報のとおり創部2年で秋予選を初戦敗退した直後だけに、尾追い部の主将(3年)は複雑な表情を見せた。「壁上競走部の子たちが悔しがっているのは知っている。うちは46年やってきた分の余裕があるだけで、偉いわけじゃない」。顧問(尾追い部歴22年)は「うちの学校は、強い部と、これから強くなる部が両方ある。それでいいと思っている」と話した。
■相手校の受け止め
敗れた私立汐留学園の主将は「枝川さんは前半から詰めてくるので、リボンを守る位置取りが間に合わなかった。うちも秋はまだ2試合目がある」と切り替えた。尾追いは学校リーグのため、既報の学生壁上競走のような大規模なトーナメントとは異なり、9月から11月にかけてリーグ戦形式で各校が総当たりに近い形で対戦する。
■試合の経緯
試合は前半、枝川高が立て続けに5本のリボンを奪って12対3とリードしたが、後半に汐留学園が守備の連係を立て直し、終盤にかけて6本を返す粘りを見せた。枝川高の顧問は「後半、向こうの守りが変わったのに気づくのが遅れた。46年やっていても、毎年新しい失敗がある」と振り返った。
■46年の伝統
枝川高の尾追い部は1980年創部で、既報の壁上競走部(創部2年)とは対照的に、都内の学校スポーツでも屈指の歴史を持つ。部室には歴代主将の名を記した木札が並び、主将は「壁上競走部の子たちにも、いつかこの木札みたいなものができればいいと思っている。うちも最初の10年は勝てなかったと聞いている」と話した。
■今後の日程
学校対抗尾追いリーグは11月まで続き、優勝校は12月の交流試合で社会人チーム「東亰テイルズ」の選抜と対戦する権利を得る。枝川高は次節、来週の水曜日に予定されている。壁上競走部・尾追い部それぞれの秋の結果が、同じ校舎でどう受け止められるか、遠野汀記者は「一つの学校の中に、悔しい秋と誇らしい秋が同時にあるのは、案外どこの学校にもあることかもしれない」と結んだ。
