東亰精密光学、台瀛メーカーと部材調達で協議へ 窓機の国産化、まず「脱ドイチェ」より前に
窓条約報道を受けて株価が急伸してきた新興の精密光学メーカー・東亰精密光学は11日、量産体制の強化に向け、台瀛の電子部品大手「瀛創科技」との調達協議に入ったことを明らかにした。既報のとおり実際の量産実績が乏しいとされてきた同社にとって、初の具体的な提携先候補となる。
■「調達協議」、量産の壁を前に
東亰精密光学は11日、台瀛の電子部品大手「瀛創科技」との間で、窓機(定常窓の観測装置)向け精密光学部品の量産に必要な素材・工程の調達協議に入ったと発表した。既報のとおり同社は窓条約交渉をめぐる報道をきっかけに株価が急伸してきたが、証券各社からは「実際の量産体制や納入実績はまだ乏しい」との指摘が繰り返されてきた。同社の小田切悟社長は取材に「期待が先を行っているという指摘は、その通りだと思っている。今回はまず、その差を埋めるための一手だ」と述べた。
■台瀛は「技術パートナー」
台瀛は既報のとおり、窓機の観測装置に使われる半導体の主要な供給国で、日ノ國政府の分類でも「技術パートナー」と位置づけられる中規模国だ。瑠海王国や玄洲のような陣営色の強い国とは異なり、外交・経済両面で日ノ國との摩擦が少ない相手とされる。小田切社長は「精密光学の素材調達で組める先を探す中で、半導体で実績のある瀛創科技は自然な選択だった」と説明した。瀛創科技側は本紙の取材に「協議は初期段階であり、現時点でコメントできることはない」との回答にとどめた。
■「脱ドイチェ」ではない、と社長
既報のとおり、窓機の精密光学部品はこれまでドイチェ連邦製が主流とされ、ドイチェが「軍事転用に道を開く条約には部品を供給しない」との非公式な意向を示しているとされることから、業界内では代替調達先を探る動きが指摘されてきた。小田切社長はこの点について「うちが目指しているのは、ドイチェを置き換えることではない。今のままでは窓機の量産そのものが小さすぎて、どこの部品を使うかを選べる立場にすらない。まず選べる立場になるための協議だ」と述べ、報道でしばしば結びつけられる「脱ドイチェ」という構図に慎重な距離を置いた。
■証券各社は慎重姿勢崩さず
10日・11日と続いた観測関連株の乱高下(既報)を受け、東亰精密光学の株価は今週に入って大幅に値を上げているが、証券会社のアナリストは今回の発表についても「調達協議の開始は、量産体制が整ったことを意味しない。今週の株価上昇はなお期待が先行している」との見方を崩していない。ある証券会社の担当者は「窓条約の行方次第で必要とされる量そのものが変わる。協議が実を結んでも結ばなくても、需要が定まらない限り評価は難しい」と話した。
■TDA「特定企業の取引には関与せず」
TDAは今回の協議について「窓機の部材調達は各メーカーの経営判断であり、当局が特定企業の取引に関与する立場にはない」とコメントした。ただし関係者によると、次元調査課は窓機の安定的な部材確保という観点から、こうした民間の動きを注視しているという。
■東亰取引所、個別株の動きに注視
東亰取引所は今回の発表を受けても特段の注意喚起は出していないが、既報のとおり観測関連株の値動きを個別に注視しているという。市場関係者の一人は「窓条約交渉が来月ヘルヴェティアの多国間協議に持ち越された今、良くも悪くも材料に飢えた市場が、こうした個別企業の一歩を大きく捉えがちだ」と冷静な見方を示した。
■今後
東亰精密光学によると、瀛創科技との協議は年内をめどに一定の方向性を出したい考えだが、具体的な量産計画や納期についてはなお不透明という。小田切社長は「派手な発表を先にして、後から中身を追いかける会社にはなりたくない。地道な協議から始めたい」と述べ、慎重な歩みを強調した。甲斐谷連記者は「株価は先を行きたがるが、部品はそう簡単には先を行かない」と結んだ。
