東亰精密光学、急落 窓機ガラスの安全性に疑問符
3日続伸してきた「指数相場」は、一夜で崩れた。5日の東亰取引所で、窓機の観測用ガラスを手がける東亰精密光学の株価は前日比8.2%安と急落した。第4窓「巨獣の原野」で仔がガラスを突き破って越えてきた(既報)ことを受け、ガラスの安全性そのものへの疑問が市場に広がった。
■ 続伸から急落へ
東亰精密光学の株価は、既報のとおり第2窓「機構の海」の相互認識発表(4日既報)を受けて3日続伸し、4日終値は前日比2.9%高だった。5日朝の取引開始直後、第4窓の事案が伝わると一転して売りが膨らみ、終値は前日比8.2%安。年初来の下落率としては最大となった。同社のガラス事業と並ぶ主力である観測機器関連の八谷計器も1.4%安となったが、下落幅は限定的だった。
■ 「想定していなかった種類の不確実性」
市場関係者は「これまでの相場は、向こうの正体や意図が分かるかどうかという不確実性だった。今回は、既に使われている設備そのものの安全性という、まったく種類の違う不確実性だ」と説明する。別の証券アナリストは「窓機のガラスが破損した事例は過去にない。原因が設計上の弱さなのか、想定外の衝撃なのかで、同社の責任の大きさが変わってくる。市場はいまのところ、悪い方に張っている」と話した。
東亰精密光学は29日に窓機部品の量産ライン着工を発表しており(既報)、今回の事案は量産計画の先行きにも影を落とす。同社広報は「原因究明にTDAと全面的に協力する。量産計画への影響は現時点で評価中」とのコメントを出した。
■ 星洲TDI先物も反落
星洲のTDI先物も、ここ数日の連続高から一転して反落した。現地の仲介業者は「東亰の窓機に関する不確実性は、国際的な観測機器市場全体のセンチメントに影響する」と指摘。碧海諸島・瑠海との三カ国観測協力枠組み(既報)の関係者からも、窓機の安全基準についての問い合わせが増えているという。
■ 保険業界も注視
消費者庁有識者研究会の座長・深沢律子氏(既報)が関わる施設保険料率の議論にも、今回の事案が新たな論点として持ち込まれる可能性がある。保険関係者は「窓機施設の損壊リスクをどう料率に反映するか、これまで想定していなかった種類の議論になる」と話した。
■ 冷静な見方も
一方で、「ガラスが割れたのは初めてでも、仔そのものは既報どおり生きて保護されており、被害が際限なく広がるような事態ではない。過度な悲観は禁物だ」と冷静な見方を示す市場関係者もいる。別の関係者は「原因が明確になり、改修の見通しが立てば、株価は戻る可能性がある」と述べ、今後の原因究明の発表を注視する姿勢を示した。
東亰精密光学は、原因究明の結果を来週中に公表する方針を明らかにしている。
■ 他の観測機器株への波及は限定的
今回の急落は、ガラスを直接供給する東亰精密光学に集中しており、観測機器セクター全体への波及は限られた。市場関係者は「同社固有の供給責任が問われる話であり、セクター全体が同じリスクを負っているわけではない、という理解が広がっているようだ」と分析する。実際、同業で窓機の電子部品を手がける別の中堅企業の株価は、この日ほぼ変わらずだった。
■ 碧海諸島向け試算への影響も注視
既報(10-連載計画)の碧海諸島向け試算は、東亰精密光学の窓機部品の輸出も絡む案件とされ、今回の事案が三カ国観測協力枠組み全体の交渉ペースに影響するかどうかにも、一部の関係者が注目している。外務省筋は「現時点では個別企業の問題であり、協力枠組みそのものへの影響は想定していない」とコメントした。
■ 株主からの問い合わせ相次ぐ
東亰精密光学の広報担当には、5日午前から株主を名乗る電話が相次いだという。同社は「ガラスの安全基準の見直しと、既設の全窓への緊急点検への協力を優先する。株価の動向について個別にコメントする立場にはない」としつつ、「ご心配をおかけしていることは重く受け止めている」と述べた。




