東亰精密光学と瀛創科技、初回実務協議 レンズ部品の量産、10月末めどに見積もり
既報の東亰精密光学と台瀛の瀛創科技(えいそうかぎ)の部材調達協議が、14日にオンラインで初回の実務協議を実施したことが15日までに分かった。対象は窓機用の精密レンズ部品で、10月末をめどに量産見積もりをまとめる方向で調整に入った。観測関連株は15日も荒い値動きが続いた。
■初回協議はオンラインで2時間
東亰精密光学と瀛創科技の部材調達協議は、14日午後、双方の技術担当者によるオンライン会議として初めて開かれた。関係者によると、協議は約2時間に及び、対象品目は窓機の観測装置に使う精密レンズ部品に絞って進められた。既報のとおり、同社の小田切悟社長は協議入りを11日に発表しており、今回が実質的な第一歩となる。
技術担当者間の協議では、既存の仕様図面のすり合わせと、量産に必要な精度基準の確認が中心だったという。東亰精密光学の担当者は「初回は、うちが求める精度を先方の設備で再現できるかどうかの確認が主だった。数字の上では悪くない手応えがある」と話す。10月末をめどに、量産時の見積もりと供給スケジュールの案をまとめる方向で合意したという。
■「まず選べる立場に」、脱ドイチェには慎重
小田切社長は既報のとおり「脱ドイチェ」の構図に距離を置く姿勢を崩していない。15日の取材にも「今回の協議は、選択肢を増やすためのものだ。ドイチェ製部品からの切り替えを決めたわけではない」と改めて説明した。窓機用の精密光学部品は現在、ドイチェ連邦製への依存度が高く、業界内では供給の一極集中を懸念する声が根強い。
瀛創科技は半導体分野で実績のある台瀛の電子部品大手で、日ノ國との関係は良好とされる。今回の協議についてコメントを寄せた同社広報担当は「両社の技術基準は近く、すり合わせは想定より早く進んでいる」とした。
■観測株、15日も荒い値動き
窓条約報道を受けた既報の株価変動(10日に八谷計器が上場来高値更新以来最大の下落率、11日に下げ止まり小幅高)は、15日も続いた。八谷計器は前日比2.1%高、東亰精密光学は続伸で年初来高値を更新した。星洲取引所の東亰漂着物指数(TDI)先物は小幅な値動きにとどまっている。
市場関係者は「窓条約の行方そのものより、東亰精密光学のような新興企業が実際に量産契約を取れるかどうかに材料が移りつつある」と分析する。東亰物流総研のアナリストは「部材調達協議の進展は好材料だが、10月末の見積もりがまとまるまでは思惑先行の側面が強い」と慎重な見方を示した。
■来月の窓条約多国間協議とも連動
既報のとおり、来月にはヘルヴェティア連邦ジェネーバで窓条約の多国間協議が予定されている。小田切社長は「交渉の行方によって規制の枠組みが変わる可能性がある以上、部材調達の選択肢を増やす動きは、どのみち必要だった」と述べ、外交日程との関連は否定しなかった。同社は10月末の見積もり取りまとめ後、正式契約に向けた協議に入るかどうかを判断するとしている。
■業界内の受け止めは様々
窓機部品業界の受け止めは一様ではない。ドイチェ製部品を長く扱ってきた国内商社の担当者は「調達先が増えること自体は業界全体に悪い話ではない。ただし、これまで積み上げてきた品質保証の実績を、新しい調達先がすぐに肩代わりできるわけではない」と冷静な見方を示した。一方、別の新興部品メーカー幹部は「東亰精密光学が突破口を開けば、続く会社も出てくるはずだ」と期待をにじませた。
東亰精密光学の株価は今年に入り、窓条約報道のたびに乱高下を繰り返してきたが、小田切社長は「値動きに一喜一憂しても部品はできない。10月末まで、うちがやるべきことは変わらない」と述べ、実務を淡々と進める姿勢を強調した。
